想いを特別な便りにのせて。人が集う青森港のスポット誕生【青森県青森市 青森港北防波堤灯台(アスパム灯台)】
2021/10/04青森県の青森港北防波堤灯台(以下、アスパム灯台)に、期間限定で設置中の郵便ポストは、全国で初となる灯台ポストです。灯台への通路が閉鎖となる11月30日までの期間限定で午前9時から午後8時まで投函可能なスペシャルな郵便ポストは、どのような経緯で設置に至ったのでしょうか。
NPO法人「あおもりみなとクラブ」に、青森海上保安部からアスパム灯台を活用した地域振興ができないかと打診があったのは2019年のこと。アスパム灯台は、両側を海が挟む青森ベイプロムナードの先端に位置しています。同クラブの副理事長・細川英邦氏は「ベイエリアの名所のひとつになれば」と考え設置を決めたそうです。
やさしいパステルカラーにパッチリお目目のデザインが目を引くアスパム灯台ポスト。デザインを担当したのは、青森市内在住のイラストレーター・豊川茅さん。ピンク、イエロー、ブルーの模様は水(海面)をイメージ。景色を邪魔しないように柔らかなパステルカラーをチョイスし、キラッとしたお目目は、遠くからでもクッキリ&ハッキリ見えるようにという思いを込め、デザインしたそうです。
灯台正面にポストを設置したのは全国で初の試み。期間中に投函された手紙やはがきには、特製の消印が押されるほか、アスパム灯台ポストがデザインされた特製ポストカードが青森駅ビルラビナや観光施設などで無料配布されています。数量限定ですが、この機会に特別な便りを送ってみませんか。
灯台にデザインを施し、灯台そのものをポストにしちゃおう、という斬新でおもしろい試みです。ウォーターフロントのシンボルとして、ムーブメントのきっかけになるには、インパクト大!
灯台ポスト設置時に開催された除幕式を取材した、青森テレビアナウンサーで、海と日本プロジェクトin青森県 推進リーダーの小野寺紀帆さんは「灯台ポストは優しく包み込んでくれるような色合いが青森の海にぴったりでとても可愛らしいと思いました」と感想をコメント。さらに、「“この場所から手紙を送りたい”と思う人がこれからさらに増えて、海へ行くきっかけに繋がればいいなと思います。私も早速、海の向こうにいる北海道の家族に手紙を送りましたよ。灯台ポストが人と人を繋ぐ、青森の新たなシンボルになっていくことを今後楽しみにしています!」と想いを明かしていました。
「人と人のつながり」「出会う」をテーマに、今以上に人が集う青森港のスポットになるよう「あおもりみなとクラブ」が中心となり、行政や市民が一体となって進めたアムパス灯台ポストプロジェクト。灯台は人やものを運ぶ船の航路標識の役割を果たしてきましたが、灯台ポストは、手紙、はがきに込めた人々の“想い”を運ぶために活躍してくれそうです。ちょっと特別な便りを送りたい、と考えている方は、一度チェックしてみては?
文:タナカシノブ