「街中にある灯台は、生活の一部」灯台に慣れ親しみ、育まれた親しみ【富山県黒部市 生地鼻灯台】

2022/03/20

灯台と私たちの結びつきを再認識する期間としても周知されつつある「海と灯台ウィーク」(2021年度は11月1日~8日に実施)。この期間に際し、海と灯台プロジェクトでは全国各地の灯台に縁ある方々の話を伺い「海と灯台学」を編纂する活動が実施されました。今回はその取材から、富山県黒部市の生地鼻(いくじばな)灯台について。灯台近くのカフェでその魅力を伝える、黒部観光ボランティアの会の松野 均さんに伺ったお話を公開します。

―生地鼻灯台に関心・興味を持ったきっかけを教えてください。
松野「私が2歳の時に生地鼻灯台が建設され、それから暮らしの一部となっています。イカ釣り漁船で、北海道から富山湾に帰ってきた時に最初に目に入る光が生地鼻灯台でして、その光を見て心を打たれました」


―生地鼻灯台のエピソードや思い出はありますか?
松野「幼い頃に、終戦直前に建設が開始された灯台であり、遠洋漁業の安全を祈る想いも込められていると聞きました。小学生の頃は、灯台守に見つからないようにほふく前進で隠れて灯台に入ったりしたこともありました。今はもちろん許可なく立ち入ることはできませんが、当時のいい思い出です」


―生地鼻灯台の歴史について、ご存知のことを教えてください。
松野「灯台の歴史です。北海道へ出稼ぎなどに行く蒸気船の海の駅のような存在だったことや、生地地区の象徴的な存在として提灯行列をしたことなどが伝わっています。生地鼻灯台を題材にした『燈台の歌』もあり、昨年の生誕70年記念イベントでは、地元の保育園児が歌を披露しました。15年ほど前に耐震構造となり、以前よりひと回り太くなりました。雪が降る中でも見えるように、白と黒の縞模様になっています」


―あなたにとって灯台はどのような存在ですか?
松野「生活の一部となっている身近な存在です」

―地元の未来にとって生地鼻灯台はどのような存在になり得ると思いますか?
松野「他の地域と比べても、街中に灯台があるのは珍しく、地元住民にとってシンボル的な存在です、これからは、海上保安部との調整により灯台の管理を地元で行うことが可能となり、観光資源として活用していこうと意気込んでいます。イベントなどで盛り上げて、地域の活性化の柱にしていきたいです。愛称なども決めていきたいと思っています。特徴的な白黒の模様なので、“パンダ灯台”なんていうのもいいですね」

 

松野さんよる生地鼻灯台についてのお話は、』同大応援動画で詳しく紹介されています。こちらもぜひチェックしてみてください!