「地元の方の情報や協力で修理できることも」灯台保守・管理を通して感じるもの【鳥取県岩美町 網代埼灯台】

2022/03/27

灯台と私たちの結びつきを再認識する期間「海と灯台ウィーク」(2021年度は11月1日~8日実施)に際し、海と灯台プロジェクトでは全国各地の灯台に縁ある方々の話を伺い「海と灯台学」を編纂する活動を実施されました。今回は、網代埼灯台(鳥取県岩美町)をはじめ山陰地方の灯台140基の保守・管理を行っている海上保安庁境海上保安部の吉田拓玄さんに伺ったお話をお届けします。

―灯台に関心・興味を持ったきっかけを教えてください。
吉田「配属されてから初めてしっかり灯台を見ました。灯台の屋上で保守することが多いのですが、ふと周りを見ると景色が印象に残ることが多いです。長野出身で地元には灯台はもちろん、海がなかったので、余計にそう思うのかもしれません」


―灯台について詳しいと思う分野を教えてください。
吉田「灯台の機器・回路などの配線が得意です。メンテナンスは電気的な部分が多く、工業高校出身なのでその知識が活かされていると思います。灯台自体の保守は民間の業者に委託されてることが多く、年に1回程度の点検をしてもらっているのですが、航路標識の障害など緊急の場合には、昼夜時問わず海上保安官がすぐに復旧の対応をしています」


―地元の灯台についてのエピソードを教えてください。
吉田「灯台が消えてしまった時など、漁師さんから連絡を頂くたびに、利用されている実感が湧きます。地元の方からの情報やご協力を得て修理することもあり、地元の人との関わりを強く感じます」


―あなたにとって灯台はどのような存在ですか?
吉田「現在は灯台の保守管理などを行っていますが、今後船に乗って仕事をする際は、道しるべとして利用することがあります。海上保安官として歩んでいく中で切っても切り離せない存在だと思います」

―地元の未来にとって灯台はどのような存在になり得ると思いますか?
吉田「近年、船には便利なGPSなどが搭載されていますが、目視で灯台が目印になるのが一番です。GPSだけに頼らず、港の目印としてしっかり見てもらえたらと思います。灯台は本来の機能に加え歴史的な価値もあり、今後も地域のシンボルとしてあり続けてほしい
と願っています」

―今後、灯台を地元で活用するためにどのようなことが必要だと思いますか?
吉田「地域に密着したイベントなどで活用していけるのではと思います。そして、地域のシンボルになるといいですね」

境海上保安部の取り組みも紹介された動画もぜひチェックしてみてください。