デジタル掛け軸で幻想的な灯台を演出!日没から夜明けまで賑わう「最果ての灯りイベント」【石川県珠洲市 禄剛埼灯台】

2022/12/30

石川県珠洲市狼煙(のろし)町の禄剛埼(ろっこうさき)灯台周辺で9月17日に開催された「最果ての灯りイベント」。能登ふるさと博の事業の一環で企画され、現在「灯りで繋ぐ能登」をテーマに、かつては、「世界一長いベンチ」と言われた富来町増穂が浦の木製ベンチを「ペットボタル(ペットボトルの中にLEDや太陽光パネルを組み込んだ演出用の照明器具)」で彩るイベントや、同じく稲の刈り取りが終わった輪島市の白米千枚田の畔を「ペットボタル」彩る「畔のきらめき」などと連携した灯りイベント。「最果ての灯りイベント」でのデジタル掛け軸(D-K・プロジェクションマッピング)の投影は2018年から始まっています。※2019年実施の様子はこちらを参照。

灯台をスクリーンにデジタル掛け軸を投影し、時間帯は日没から翌朝の日の出まで。最果てのDJイベント、ランタンの飾り付けなども同時に開催。毎回、2,000人ほどの人出があり、20代から30代を中心に親子連れやカップル、グループなどで訪れる方が多いそうです。一晩中投影されるので、星空を眺めながら夜明けを待っている人もたくさんいるそうです。

2日間に渡るイベントは、日中は灯台の園地を利用したミニコンサートや飲食の出店などで賑わい、夕方からは灯台まで歩道約200メートルに吊された行燈に灯が入り、DJイベントとD-Kの投影がスタート。出店は夜の10時まで、その後は夜明けまでD-Kが投影されました。

イベント開催担当者によると、毎年投影のプログラムが変わるので、リピータが多くとても好評とのこと。「灯台までのアプローチを行燈で照らす方法は今年から始めたものです。真っ暗な遊歩道の標となりました。コロナ禍の中断はあったものの、これまで4回の開催で知名度の向上も実感しています。海上保安部の協力で灯台内部の一般公開なども定着してきました」と禄剛埼灯台と地元を盛り上げる素敵なイベントになったと教えてくれました。

禄剛埼灯台の魅力は、能登半島最先端から見た水平線に浮かぶ佐渡島の島影、北アルプスの峰々を見ることができること、季節によって日の出・日の入りの太陽が水平線から上り落ちていくのが見られること。灯台園地からは、視界が360度広がり、満天の星を見ることができます。星の観察に適した季節は9月の中旬から12月の中旬にかけて。本格的に雪が降り始める少し前までに堪能するのがおすすめだそうです。

また、毎年5月には禄剛埼灯台ある岬の先端の風の強さを利用した凧揚げ大会も実施されているとのこと。かつては大陸の文化の入り口だった能登半島。その最先端にある禄剛埼は最も大陸に近い場所として栄えたこの地で、イベントを通して禄剛埼灯台の魅力を再確認してみませんか?

取材・文=タナカシノブ