新潟県 新潟市西蒲区 角田岬灯台
佐渡海峡を渡る船舶の道しるべとなる灯台。灯台の足元には、源頼朝に追われた義経が舟と共に身を隠したとされる名勝「判官舟かくし」が顔をのぞかせ、眼下には日本海の大パノラマと角田浜の白い砂浜が広がる。
灯台データ
- 初点灯: 1959(昭和34)年
- 灯台の高さ: 12.6m
- 灯りの高さ: 49.7m
- 形状: 白塔形
- 灯質: 群発閃光
- 光達距離: 約35km
- レンズ: LB-40型
- 構造: コンクリート造
- 設計者: 不明
地理データ
地理:起伏に富んだ地形
佐渡弥彦米山国定公園の北端となる角田山の中腹では角田岬が断崖絶壁を見せ、麓の角田浜では砂浜が美しい弧を描く。一方、角田山の東側の越後平野では壮大な田園が広がるなどドラマティックな景色が展開する。
気象:全域が日本海側気候
灯台の建つ西蒲区は豪雪地帯に指定される。沿岸部は比較的温和な気候だが、その反面、日本海側気候の特徴が顕著に表れる冬場は北西から季節風が吹き、天気が荒れる日もある。
歴史:開湯300年以上の歴史を持つ「岩室温泉」
灯台よりやや内陸は、江戸時代中期に開湯された温泉。宮弥彦神社への参拝者の宿場として栄える。雁が温泉で傷を癒したことで源泉が発見されたという「霊雁の湯伝説」が伝わる。
信仰:浄土真宗・越後善光寺
大関阿波守盛憲により開かれたとされる名刹。ご本尊は秀翁寺より迎えられた「善光寺式阿弥陀如来三尊像」で、唐様の影響を受けた如来堂に安置されている。
漁業:特産品の地ダコ
深度200mの大陸棚となる越佐海峡は、沿岸漁業の好漁場として知られる。ヒラメやアマダイ、カレイなどが獲れるほか、地ダコやワタリガニは特産品となっている。
その他:地域をPRする西蒲映画
西蒲区の魅力を題材とする映画が製作されている。現在は『ハモニカ太陽』、『にしかん』、『ボケとツッコミ』の西蒲映画三部作をインターネットで無料公開中。
食文化:日本酒のアテにぴったりの「ごうぎり」
“米どころ新潟”は日本酒の名産地でもある。サバの水煮に大根と人参を入れて酒粕で煮た「ごうぎり」や酒粕のジェラート等、酒にまつわる新旧の名物も生まれた
伝統芸能:出稼ぎから戻った民が伝えた「河井神楽舞」
明治初期に伝承した獅子神楽。「四方舞」、「幣束舞」、「鎮の舞」、「錫枝の舞」の4つの演目と余興芸「新保広大寺」が披露される。新潟市指定無形民俗文化財。
海と灯台のまち紹介その他の海と灯台のまち紹介
下閉伊郡普代村
陸中黒埼灯台
1947(昭和22年)に地元漁協が「普代灯柱」として設置。三陸復興国立公園の海岸段丘の景勝地に建ち、青い海と山の緑にひときわ映える白亜の灯台。北緯40度線上の灯台として、日本海側の入道埼灯台(秋田県雄鹿半島)と対をなす。
大船渡市
碁石埼灯台
末崎半島の先端となる碁石岬に建つ灯台。沿岸小型標識として、入り組んだ沿岸や大船渡湾などを航行する船舶の目標として設置された。三陸復興国立公園に指定された碁石海岸の一角として、灯台周辺は整備されている。
鶴岡市
鼠ヶ関灯台
源義経が頼朝の追討を逃れ、平泉へと渡る途中で上陸したという伝説が伝わる弁天島に建つ灯台。島の手前に厳島神社、灯台の足元には赤い鳥居の金毘羅神社と2つの神社が設置され、鼠ヶ関の漁民の安全を見守っている。
下関市
角島灯台
日本海側に造られた灯台としては初の大型灯台。無塗装の灯台は日本に2基あるが、そのうちの1つ。レンズは日本に5基しかない第1等フレネルレンズで、高い歴史・文化的価値を認められており、常時一般公開されている「参観灯台」でもある。
日向市
細島灯台
細島港入口の日向岬に位置する灯台。1910(明治43)年に赤レンガ造りの灯台として造られ、1941(昭和16)年に現在の灯台に。半円アーチ型の出入り口、バルコニーを支える持ち送りのデザインが特徴的。2019(平成31)年に国の有形文化財に登録された。
上天草市
湯島灯台
江戸時代、島原の乱の戦略上の要衝となった湯島の西端に建つレトロな灯台。島の高台から島原湾、湯島瀬戸を往来する船を照らす。灯台周辺から眺望する長崎、普賢岳のパノラマは絶景。晴れた日には世界遺産の原城跡が望める。
松山市
釣島灯台
愛媛県松山市の西方約5kmに位置する釣島に建つ、明治期に建設された石造の歴史的灯台。愛媛県初の西洋式灯台であり、敷地内に付帯する灯台職員用の宿舎・倉庫と共に保守され、当時の面影を今に遺す。松山市有形文化財に指定。
笠岡市
六島灯台
岡山県の最南端とされる「六島(むしま)」に建つ灯台。大型船舶が往来する海域ながら、潮流が速く事故が多発していた六島と香川県・荘内半島の海域の安全のために建てられた。現在も不動フレネル式レンズを残す貴重な灯台でもある。
東牟婁郡串本町
潮岬灯台
本州最南端の紀伊半島・潮岬に建つ灯台。開国直前の「改税条約」に基づいて建設した8基の灯台のうちの1つで、紀伊半島沖は海上交通の要衝でありながら、航海が難しい海域でもあったため、潮岬灯台の建設は急ピッチで進められた。
中頭郡読谷村
残波岬灯台
沖縄本島、東シナ海に面する残波岬の突端に建つ。終戦後、米軍の実弾練習場だった場所に建てられた白亜の灯台で、日本返還後に初点灯。灯台周辺は現在、沖縄海岸国定公園に指定され、沖縄本島有数のスポットとなっている。
厚岸郡浜中町
湯沸岬灯台
北海道随一となる実効光度82万カンデラの灯台。急に濃い霧が立ち込めることから「霧多布岬」との通称を持つ湯沸岬に建つ。危険区域である沖合約3kmの岩礁「帆掛岩」を照らす赤色の照射灯が併設されている。
石垣市
平久保埼灯台
八重山列島の石垣島北部にのびる平久保半島の北端、平久保先に位置。17世紀に平久保遠見台が置かれ、往来する外国船の監視が行われていた歴史を持つ。現在建つのは日本復帰前に琉球政府が建設したもの。