島根県 出雲市 出雲日御碕灯台
島根県出雲市にある「島根半島」の西端に建つ灯台で、石造の灯台としては43.65mと日本一の高さを誇る。全国に5基しかない第1等フレネルレンズが現役で稼働している灯台で、その文化的価値も高く評価されている。
灯台データ
- 初点灯: 1903年4月1日
- 灯台の高さ: 43.65m
- 灯りの高さ: 63.3m
- 形状: 白塔形
- 灯質: 群閃紅白互光
- 光達距離: 約39km
- レンズ: 第1等フレネル式
- 構造: 石造
- 設計者: 石橋絢彦
地理データ
地理:ジオサイトでもある灯台周辺
周辺の海岸には規則正しい柱状節理が見られる。約1600年前に流出した溶岩の冷却収縮によって形成されたもので「島根半島・宍道湖中海ジオパーク」のスポットにもなっている。
気象:厳しい風と波が生んだ景勝地
灯台へと続く遊歩道に沿って並ぶ松が強い風をやわらげる。北へ抜けると、日本海の激しい波がつくり上げた大小の島や奇岩が並ぶ「出雲松島」を一望できる。
歴史:日の沈む聖地として崇敬される出雲
「国譲り」や「国引き」など、様々な神話の舞台でもある出雲。都から見て日の沈む方角にあった出雲は“日の沈む聖地”として神聖視され、日本遺産に認定されている。
信仰:丹塗りの神殿が美しい日御碕神社
神話に登場する二柱を祀る「日御碕神社」。天照大御神を祀る「日沉宮(ひしずみのみや)」と、素盞嗚尊(スサノオノミコト)を祀る「神の宮」があり、美しい社殿が訪れる人の目を引く。
漁業:ブランドブリの出荷に向けて取り組みが進む
日御碕沖は、沿岸を流れる対馬暖流と沖合の島根沖冷水が混じる好漁場。伝統の「ひき縄釣り」で釣ったブリを「活〆ブリ」として出荷する取り組みを進めている。
その他:聖地・出雲としての観光業
パワースポットである出雲大社周辺を中心に、日御碕のジオサイトや夕日をはじめとする絶景スポットなどをPRしており、観光に訪れる客が多い。
食文化:出雲大社の関係者だけが食べた「うず煮」
出雲大社の「福神祭」関係者に振る舞われていた伝統料理・うず煮。フグのアラをベースにフグの身やしいたけ、かんぴょうを入れた出汁をご飯と混ぜて食べる。
伝統芸能:神話の舞台で観る美しい神楽
日御碕神社の日沉宮で、6~11月にかけて郷土芸能「出雲神楽」の公演が行われる。出雲の神話や伝説を題材とし、夕日が照らす拝殿で荘厳な衣装や音楽とともに神楽を鑑賞できる。

海と灯台のまち紹介その他の海と灯台のまち紹介

旭市
飯岡灯台
千葉県北東部、九十九里浜の北端から連な素屛風ヶ浦の南端に位置する刑部岬に建つ灯台。約60mの断崖絶壁から見る絶景は、「日本の朝日百選」や「日本の夜景100選」ほか数々の栄冠に輝いている。また、灯台周辺は上永井公園として整備され、展望館も新設された。

丹生郡越前町
越前岬灯台
海抜131mの断崖の上に建つ白亜の灯台。岬からの絶景は「日本の夕陽百選」にも選ばれている。越前海岸周辺は日本海側随一の「日本三大水仙群生地」として知られ、冬になると灯台は一面に咲く越前水仙に彩られる。

檜山郡江差町
鴎島灯台
かつてニシン漁や北前船の交易場として賑わいを見せた鴎島に建つ灯台。沖合500mに浮かぶこの島の航路標識である灯台は、現在は外側に階段と手すりが取り付けられ、自由に登れる展望台として訪問客を楽しませている。

和歌山市
友ヶ島灯台
明治初期に建設された歴史的価値の高い石造の洋式灯台。紀淡海峡に浮かぶ無人島群「友ヶ島」の中心となる沖ノ島に建つ灯台で、砲台跡など島にはかつて軍事要塞島だった名残が残る。国の登録有形文化財。

厚岸郡浜中町
湯沸岬灯台
北海道随一となる実効光度82万カンデラの灯台。急に濃い霧が立ち込めることから「霧多布岬」との通称を持つ湯沸岬に建つ。危険区域である沖合約3kmの岩礁「帆掛岩」を照らす赤色の照射灯が併設されている。

石垣市
平久保埼灯台
八重山列島の石垣島北部にのびる平久保半島の北端、平久保先に位置。17世紀に平久保遠見台が置かれ、往来する外国船の監視が行われていた歴史を持つ。現在建つのは日本復帰前に琉球政府が建設したもの。

下田市
爪木埼灯台
伊豆半島の東海岸から太平洋に突き出た須崎半島の先端に建つ灯台。周辺は爪木崎自然公園として整備されている。野水仙の群生地であり、冬場のピーク時には300万本もの水仙が咲き誇り、遊歩道となって灯台へと誘う。

敦賀市
立石岬灯台
西洋技術の導入初期である明治時代に建設された歴史的灯台。現存する64基のうちの1基。敦賀港最初の文明施設となるこの灯台は、港湾都市・敦賀の将来の発展を象徴するモチーフとして市章にも使用されている。

珠洲市
禄剛埼灯台
明治期、能登半島の最突端、珠洲市の禄剛崎に建てられた石造の灯台。レンズを固定させ、遮蔽板を回転させることで灯火を点滅させる珍しい手法を用いた。石材を人力で崖下から運ぶ難工事の末に完成。

知多郡美浜町
野間埼灯台
愛知県に現存する最古の灯台。2008年に改修工事が行われた際、レンズが第5フレネル式からLED灯器に変更された。灯台周辺を囲う高さ2.5mの鉄柵は、南京錠を掛けて恋愛の成就を願うカップル向けのスポットとしても広く認知されている。

高松市
高松港玉藻防波堤灯台
1964(昭和39)年に「高松港西防波堤灯台」として初点灯。後年、港湾事業によって北側へと伸びた防波堤の先端へ移設される。赤基調の灯台で、「赤灯台」「せとしるべ」の愛称で高松港のランドマークとしても親しまれる。

七尾市
能登観音埼灯台
大正時代、七尾湾を航行する船舶の安全を確保するため石川県が建設。当初は七尾湾口灯台と名付けられたが、1966(昭和41)年に現在の名称に。1986(昭和61)年、機器自動化に伴い、形も四角形ビルディング型から白色塔形に建て替えられた。



