高知県 土佐清水市 足摺岬灯台
四国の最南端に建つ灯台。第二次世界大戦中に米軍機の機銃掃射を受けた歴史を持つこの灯台は、老朽化に伴いデザイン灯台へと一新。そのロケット型のフォルムには地域発展・世界平和などの願いが込められている。
灯台データ
- 初点灯: 1914(大正3)年(1960年改築)
- 灯台の高さ: 18.1m
- 灯りの高さ: 60.6m
- 形状: 白塔形
- 灯質: 単閃白光
- 光達距離: 約38km
- レンズ: LB-90型
- 構造: 石造
- 設計者: 不明
地理データ
地理:奇岩・景勝が広がる足摺岬
足摺宇和海国立公園の南端となる岬周辺は、約80mの断崖・足摺岬や波・風の侵食で形成された海食台地「竜串海岸」と「見残し海岸」の奇岩が広がる。また黒潮の影響を受けた海中はサンゴ礁など亜熱帯地域の特色を持つ。
気象:温暖な太平洋気候
一年を通して気候は温暖だが、夏は太平洋側から吹く湿った風により多量の雨が降る。冬の降雪はほぼない。
歴史:日米の懸け橋となったジョン万次郎
幕末から明治期にかけて活躍した中浜万次郎は、日本人で初めてアメリカに渡った人物。異国で測量・航海術を学び、帰国した後は日米和親条約の締結に尽力した。
信仰:年に2回開催される鹿島神社大祭
遠洋漁業の基地である清水港で行われる、漁の安全と豊漁を祈願するお祭り。鹿島神社の神事の後に神輿が街を練り歩き、漁船の勇壮な海上パレードで締められる。
漁業:全国的ブランド「清水サバ」
黒潮による漁場に恵まれ、種類豊富な魚が水揚げされる。また、立縄漁によって一匹ずつ釣り上げられるゴマサバは「清水サバ」と呼ばれ、全国的に名が知られる。
その他:宗田節の全国シェア70~80%
土佐清水で獲れるマルソウダガツオ(めじか)を原料とする宗田節は、コクがあり香り豊か。近年は宗田節を用いたドレッシングなどの食品・製品群も応援している。
食文化:高知県を代表する「皿鉢料理」
もともとはお祭りなどの行事食や冠婚葬祭の振る舞いだった皿鉢料理。今では高知で獲れた海の幸、山の幸を豪勢に盛りつける華やかな大皿料理として親しまれる。
伝統芸能:全国に派生した「よさこい」
もともとは高知の民謡「よさこい節」につけた踊りが、自由な発想の鳴子踊りへとアレンジされたことで爆発的人気に。今ではYOSAKOIとして全国でイベントが行われる。
海と灯台のまち紹介その他の海と灯台のまち紹介
美方郡香美町
余部埼灯台
灯りの高さが日本一の灯台。「日本の夕陽百選」にも選ばれた日本海を一望できる高台からは、夏場になると幻想的で美しいイカ釣り漁船の漁火を見ることができる。地元では地名をとった「御崎灯台」の名で親しまれる。
松江市
美保関灯台
島根半島東端の地蔵崎の先端に位置する灯台。山陰最古の石造灯台で、岬からは日本海を望み、晴れた日には隠岐の島を見ることもできる。2007年には灯台として初めて国の登録有形文化財に登録された
阿南市
蒲生田岬灯台
四国の最東端、徳島県阿南市の蒲生田岬に建つ灯台。高知県にもまたがる室戸阿南海岸国定公園に属する。蒲生田岬灯台と紀伊日ノ御埼灯台(和歌山県)を結んだラインまでが瀬戸内海と定義される重要な灯台。
和歌山市
友ヶ島灯台
明治初期に建設された歴史的価値の高い石造の洋式灯台。紀淡海峡に浮かぶ無人島群「友ヶ島」の中心となる沖ノ島に建つ灯台で、砲台跡など島にはかつて軍事要塞島だった名残が残る。国の登録有形文化財。
志摩市
大王埼灯台
三重県志摩半島の大王崎の突端に建つ。大正時代、大王崎周辺の海では多くの人命を失う海難事故が続出。地元の船頭も「波切大王なけりゃよい」と嘆き謡うほどの難所に、地元から声が寄せられ灯台が誕生した。
下閉伊郡普代村
陸中黒埼灯台
1947(昭和22年)に地元漁協が「普代灯柱」として設置。三陸復興国立公園の海岸段丘の景勝地に建ち、青い海と山の緑にひときわ映える白亜の灯台。北緯40度線上の灯台として、日本海側の入道埼灯台(秋田県雄鹿半島)と対をなす。
竹原市
大久野島灯台
広島県竹原市に属し、瀬戸内海に浮かぶ大久野島に建つ灯台。難所とされる「来島海峡」を避けるための航路に置かれた航路標識の1つで、現在のものは2代目。初代の大久野島灯台は香川県の「四国村」に移設されている。
笠岡市
六島灯台
岡山県の最南端とされる「六島(むしま)」に建つ灯台。大型船舶が往来する海域ながら、潮流が速く事故が多発していた六島と香川県・荘内半島の海域の安全のために建てられた。現在も不動フレネル式レンズを残す貴重な灯台でもある。
松山市
釣島灯台
愛媛県松山市の西方約5kmに位置する釣島に建つ、明治期に建設された石造の歴史的灯台。愛媛県初の西洋式灯台であり、敷地内に付帯する灯台職員用の宿舎・倉庫と共に保守され、当時の面影を今に遺す。松山市有形文化財に指定。