千葉県 いすみ市 太東埼灯台
千葉県南東部、九十九里浜の南端の高台に建つ円形中型灯台。当初、海沿いに建てられた灯台は海岸浸食で倒壊の恐れが生じ、1972(昭和47)年、100m後方の現在の場所へ移築された。
灯台データ
- 初点灯: 1950(昭和25)年
- 灯台の高さ: 16m
- 灯りの高さ: 72m
- 形状: 白亜塔形
- 灯質: 単閃白光
- 光達距離: 不明
- レンズ・灯器: 不明
- 構造: 不明
- 設計者: 不明
地理データ
地理:人気の日の出スポット
灯台が建つのは、夷隅地域に位置する大原を中心とする「いすみ市」。日本で太陽がいち早く昇る地域としても知られる。なかでも太東埼灯台の展望台は、人気の初日の出スポットとして毎年たくさんの人が訪れる。
気象:房総特有の2種類の気候が入り混じる
青い海と緑に恵まれたいすみ市は、「海洋性気候」「内陸性気候」の2種類が入り混じる地域。沿岸部は海洋性気候で1年を通して温暖である。降雨量は顕著で、穏やかな冬季でも降水量がある。
歴史:合併を繰り返して誕生
「夷隅町」「原町」「岬町」の合併により誕生した「いすみ市」。「旧夷隅町」は1町2村、「旧原町」は3村(とその一部)、「旧岬町」は2村と2村、合計4村が合併した町。「いすみ市」の歴史は合併の歴史ともいえる。
文化:葛飾北斎に影響を与えた人物
いすみ市に多数の作品が残る江戸時代の宮彫師、波の伊八こと武志伊八郎信由。同世代に活躍した葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」のひとつ「神奈川沖浪裏」などの画風に強く影響を与えたと言われている。
漁業:赤く美しく美味しい「伊勢海美」
日本一のイセエビ漁獲量を誇るいせすみ市。寒流と暖流が交わる大原沖の器械根、岩礁で育ったイセエビは、荒波に揉まれ身が締まり、色、艶共にすぐれ、大ぶりで形がよく濃厚な味が特徴。「伊勢海美」としてブランド化されている。
農業:献上米だった「いすみ米」
いすみ市の米は、マグネシウムをバランスよく含んだ粘土質の土壌で育てられている。特に夷隅地域で作られる「いすみ米(国吉米)」は古くは献上米として扱われていた歴史も有している。
食文化:山の幸と海の幸の出会い
いすみ市の中央を流れる夷隅川は、「いすみ米」の良質な米作りに最適な肥沃な土壌を運び、里山と里海を結ぶ。河口の先に広がる岩礁地帯「器械根」では、イセエビ、タコ、サザエ、アワビなど豊富な魚介類が育つ。
祭り:伝統の秋祭り「大原はだか祭り」
9月下旬の2日間に渡り行われる雄壮な祭り。始まりは江戸時代。五穀豊穣と大漁祈願を願い、初日に大原海岸で行われる「汐ふみ」では18基もの神輿が次々と海へと担ぎ込まれていく。

「海と灯台のまち」の灯台をもっと見る

肝属郡南大隅町
佐多岬灯台
九州最南端の大隅半島佐多岬の先に浮かぶ大輪島に立つ灯台。江戸幕府が諸外国と結んだ条約に基づいて建てられた8つの灯台のひとつで、「日本の灯台の父」と呼ばれるイギリス人技師ブラントンが設計した。初点灯時は鉄造だったが、太平洋戦争の空襲で大破し、コンクリート造に建て替えられた。

松山市
釣島灯台
愛媛県松山市の西方約5kmに位置する釣島に建つ、明治期に建設された石造の歴史的灯台。愛媛県初の西洋式灯台であり、敷地内に付帯する灯台職員用の宿舎・倉庫と共に保守され、当時の面影を今に遺す。松山市有形文化財に指定。

志摩市
安乗埼灯台
全国的にも珍しい四角柱型の灯台。入り組んだ海岸で暗礁が多く、江戸時代には灯明台が置かれていた海の難所に建てられた。全国に16基ある「のぼれる灯台」のひとつで、バルコニーから穏やかな的矢湾と波が打ち寄せる太平洋が一望できる。「日本の灯台50選」のひとつ。

知多郡美浜町
野間埼灯台
愛知県に現存する最古の灯台。2008年に改修工事が行われた際、レンズが第5フレネル式からLED灯器に変更された。灯台周辺を囲う高さ2.5mの鉄柵は、南京錠を掛けて恋愛の成就を願うカップル向けのスポットとしても広く認知されている。

室戸市
室戸岬灯台
室戸岬の先端、標高151mの山上にそびえ、日本一の光達距離を有する灯台。1899(明治32)年の建造当時から改築されていない鉄造の灯台で、直径2.6mにも及ぶ国内最大級の第1等レンズを誇る。灯台守が暮らしていた石造りの官舎が今なお残る。

上天草市
湯島灯台
江戸時代、島原の乱の戦略上の要衝となった湯島の西端に建つレトロな灯台。島の高台から島原湾、湯島瀬戸を往来する船を照らす。灯台周辺から眺望する長崎、普賢岳のパノラマは絶景。晴れた日には世界遺産の原城跡が望める。

西宇和郡伊方町
佐田岬灯台
四国の西端に突き出た佐田岬半島の先端に建つ。対岸には豊予海峡を挟んだ佐賀関(大分県)があり、佐田岬灯台の光が届く。灯台で使われているレンズは佐賀関にある関崎灯台から移設されたもの。

佐伯市
水ノ子島灯台
豊後水道の中央部に浮かぶ周囲約300mの無人島「水ノ子島」にぽつんとそびえる灯台。塔体の高さは39mあり、石造り灯台の高さとしては日本で二番目を誇る。極めて小さな孤島であることから建設工事が難航し、1900(明治33)年から4年の歳月を要して完成にこぎつけた。

鶴岡市
鼠ヶ関灯台
源義経が頼朝の追討を逃れ、平泉へと渡る途中で上陸したという伝説が伝わる弁天島に建つ灯台。島の手前に厳島神社、灯台の足元には赤い鳥居の金毘羅神社と2つの神社が設置され、鼠ヶ関の漁民の安全を見守っている。

石垣市
平久保埼灯台
八重山列島の石垣島北部にのびる平久保半島の北端、平久保先に位置。17世紀に平久保遠見台が置かれ、往来する外国船の監視が行われていた歴史を持つ。現在建つのは日本復帰前に琉球政府が建設したもの。

阿南市
蒲生田岬灯台
四国の最東端、徳島県阿南市の蒲生田岬に建つ灯台。高知県にもまたがる室戸阿南海岸国定公園に属する。蒲生田岬灯台と紀伊日ノ御埼灯台(和歌山県)を結んだラインまでが瀬戸内海と定義される重要な灯台。

厚岸郡浜中町
湯沸岬灯台
北海道随一となる実効光度82万カンデラの灯台。急に濃い霧が立ち込めることから「霧多布岬」との通称を持つ湯沸岬に建つ。最近では野生のラッコが繁殖し、灯台までの遊歩道から鑑賞が出来る国内でも珍しい場所として知られている。