北海道 厚岸郡浜中町 湯沸岬灯台
北海道随一となる実効光度82万カンデラの灯台。急に濃い霧が立ち込めることから「霧多布岬」との通称を持つ湯沸岬に建つ。危険区域である沖合約3kmの岩礁「帆掛岩」を照らす赤色の照射灯が併設されている。
灯台データ
- 初点灯: 1951(昭和26)年
- 灯台の高さ: 12.3m
- 灯りの高さ: 49.4m
- 形状: 白地に赤横帯1本塗 塔形(四角形)
- 灯質: 単閃白赤光
- 光達距離: 約35km
- レンズ: LBH-120型
- 構造: コンクリート造
- 設計者: 不明
地理データ
地理:変化に富んだ自然豊かな霧多布
厚岸道立自然公園に指定される変化に富んだ地形。標高40~60mの霧多布半島は海からの強風と荒波によってできた断崖絶壁が続く一方、広さ3,168haの霧多布湿原は「ラムサール条約」に登録される、約300種の花が咲く湿原。
気象:6~8月は海霧が発生
高緯度のため年間を通して冷涼な気候。海流の影響で夏季は海霧が発生しやすく、冬場の積雪は比較的少ない。
歴史:海から開かれた町「浜中町」
1701年(元禄14年)、松前藩により漁の商場である「厚岸場所」を割いて「キイタップ場所」として開かれる。その後、数度の町村制の施行により現在の「浜中町」に。
その他:アザラシのいる理由
アイヌ語でトッカリと呼ばれる岬周辺に多数生息するアザラシ。湯沸岬には「トッカリ岬のうた」の伝説があり、アザラシがこの地にいる理由が語り継がれている。
漁業:天然の良港
近海は寒流と暖流が交差する天然の良港で、コンブ漁の沿岸漁業とサケ・マス漁などの沖合漁業が行われているほか、近年はウニやアサリなどの栽培漁業も推進している。
農業:内陸部でさかんの酪農
内陸部では、恵まれた気候を背景に酪農の活性化に力を注ぐ。先駆的な品質管理がなされた高品質の牛乳は、高級アイス「ハーゲンダッツ」の主原料にも使用される。
食文化:良質の昆布が育むウニ
特産品は、霧多布湿原から流れ込むミネラルにより滋味を増した昆布やホッキ・アサリなどの貝類で、良質の昆布が育むウニを使用したウニ丼や海鮮丼で知られる。
芸能:モンキー・パンチの故郷
「ルパン三世」の原作者モンキー・パンチの故郷として知られる。ルパンの観光スポットやイベントが町を盛り上げるほか、作品内では湯沸岬灯台が登場したことも。
海と灯台のまち紹介その他の海と灯台のまち紹介
高岡市
岩崎ノ鼻灯台
高岡市内唯一の灯台。海の玄関・伏木港が重要港湾に指定された同年に初点灯。以来、富山湾を往来する船舶の安全を見守り続けてきた。春には建設時に植栽された桜が美しい花を咲かせるため、「桜の灯台」と呼ばれる。
出雲市
出雲日御碕灯台
島根県出雲市にある「島根半島」の西端に建つ灯台で、石造の灯台としては43.65mと日本一の高さを誇る。全国に5基しかない第1等フレネルレンズが現役で稼働している灯台で、その文化的価値も高く評価されている。
西津軽郡深浦町
艫作埼灯台
白神山地を仰ぐ青森県深浦町の海岸線に建つ灯台。日本海北部の灯台では最大級の高さを誇る。青森県北部の龍飛岬と秋田県男鹿半島の入道崎の中間に位置し、漁船や南北を航行する船を広範囲に見守る。
旭市
飯岡灯台
千葉県北東部、九十九里浜の北端から連な素屛風ヶ浦の南端に位置する刑部岬に建つ灯台。約60mの断崖絶壁から見る絶景は、「日本の朝日百選」や「日本の夜景100選」ほか数々の栄冠に輝いている。また、灯台周辺は上永井公園として整備され、展望館も新設された。
松江市
美保関灯台
島根半島東端の地蔵崎の先端に位置する灯台。山陰最古の石造灯台で、岬からは日本海を望み、晴れた日には隠岐の島を見ることもできる。2007年には灯台として初めて国の登録有形文化財に登録された
丹生郡越前町
越前岬灯台
海抜131mの断崖の上に建つ白亜の灯台。岬からの絶景は「日本の夕陽百選」にも選ばれている。越前海岸周辺は日本海側随一の「日本三大水仙群生地」として知られ、冬になると灯台は一面に咲く越前水仙に彩られる。
東牟婁郡串本町
潮岬灯台
本州最南端の紀伊半島・潮岬に建つ灯台。開国直前の「改税条約」に基づいて建設した8基の灯台のうちの1つで、紀伊半島沖は海上交通の要衝でありながら、航海が難しい海域でもあったため、潮岬灯台の建設は急ピッチで進められた。
竹原市
大久野島灯台
広島県竹原市に属し、瀬戸内海に浮かぶ大久野島に建つ灯台。難所とされる「来島海峡」を避けるための航路に置かれた航路標識の1つで、現在のものは2代目。初代の大久野島灯台は香川県の「四国村」に移設されている。
新潟市西蒲区
角田岬灯台
佐渡海峡を渡る船舶の道しるべとなる灯台。灯台の足元には、源頼朝に追われた義経が舟と共に身を隠したとされる名勝「判官舟かくし」が顔をのぞかせ、眼下には日本海の大パノラマと角田浜の白い砂浜が広がる。
志摩市
大王埼灯台
三重県志摩半島の大王崎の突端に建つ。大正時代、大王崎周辺の海では多くの人命を失う海難事故が続出。地元の船頭も「波切大王なけりゃよい」と嘆き謡うほどの難所に、地元から声が寄せられ灯台が誕生した。