北海道 網走市 能取岬灯台
大正時代、逓信省による航路標識事業で建てられた灯台。霧信号所も設置され、1948(昭和23)年までは灯台守が併設の宿舎に住んでいた。流氷により航行が途絶える2~3月は業務を休止していた。
灯台データ
- 初点灯: 1917(大正6)年
- 灯台の高さ: 21m
- 灯りの高さ: 57m
- 形状: 黒白横線塗・塔形
- 灯質: 単閃白光
- 光達距離: 約36km
- レンズ・灯器: LB-M30型灯器
- 構造: コンクリート造
- 設計者: 不明
地理データ
地理:網走市の絶景スポット「能取岬」
北海道の東側、オホーツク海に面する網走市。灯台が建つのは四季を通じて地元の絶景スポットとして知られる能取岬。「のとろ」という読み方はアイヌ語で「岬のところ」を意味する言葉「ノッ・オロ」に由来する。
気象:観光客を魅了する大草原
オホーツク海を背景に広がる能取岬の大草原。夏には一面に美しい緑のじゅうたんが広がり、そののどかさに癒される。冬には1月下旬~3月上旬まで流れ着く流氷に覆われたオホーツク海の絶景を求めて観光客が訪れる。
歴史:北海道開拓のために造られた「網走監獄」
明治政府にとってロシアから国家を守る上で、北海道開拓は重要事項であった。網走監獄の廉価な労働力と囚人は北海道の防衛と開拓に使役され、刑を終えた人はそのまま住み着き、人口を増やす役割を担った。
由来:入口の地・網走
能取岬灯台より海運を見守る港町・網走。地名の由来はアイヌ語の「ア・パ・シリ」(我らが見つけた土地)、「アパ・シリ」(入り口の地)を漢字に当てたとされ、アイヌ民族にとっても要衝であったことが伺える。
漁業:オホーツク海沿岸トップの水揚げ量
網走漁港では、北海道で獲れるサンマ以外のほとんどの魚種が水揚げされる。網走の特産は、シジミ、シラウオ、カラフトマス、釣きんき(メンメ)が挙げられる。また毛ガニ、タラバガニ、ズワイガニなどカニも豊富。
農業:道内随一の行者菜の産地
麦類、甜菜、馬鈴薯の基幹作物を中心に大根、長いも、ゴボウ、ニンジンなどの野菜類を栽培。二条王大麦の生産量は北海道で1位。道内随一の行者菜生産地でもある。3月下旬に種芋を植え約130日で澱粉となる、澱粉原料用のじゃがいもを栽培。
ロケ地:網走観光の定番スポットにも!
能取岬灯台が立つ能取岬は、その風光明媚な景色からこれまで幾度もテレビCMや映画のロケ地になっている。昨今は中国の恋愛映画にも登場するなど、今や国内外を問わず網走観光の定番スポットとして欠かせない存在となった。
伝統芸能:100年続く奉納「豊郷神楽」
毎年8月1日に行われる豊郷神社祭典は、明治42年(1909年)からなんと100年以上、一度も休むことなく奉納が行われている。篠笛、小太鼓、大太鼓が奏でる旋律に合わせて幻想的な舞が奉納される。

「海と灯台のまち」の灯台をもっと見る

いわき市
塩屋埼灯台
白砂青松の美しい海岸線が続く「いわき七浜」の中央付近、薄磯海岸の断崖に立つ灯台。のぼれる灯台16基のひとつ。1956(昭和31)年に雑誌に掲載された、当時の塩屋埼灯台長の妻、田中きよの手記が、翌年公開された映画『喜びも悲しみも幾年月』の原点となったことでも知られる。

土佐清水市
足摺岬灯台
四国の最南端に建つ灯台。第二次世界大戦中に米軍機の機銃掃射を受けた歴史を持つこの灯台は、老朽化に伴いデザイン灯台へと一新。そのロケット型のフォルムには地域発展・世界平和などの願いが込められている。

檜山郡江差町
鴎島灯台
かつてニシン漁や北前船の交易場として賑わいを見せた鴎島に建つ灯台。沖合500mに浮かぶこの島の航路標識である灯台は、現在は外側に階段と手すりが取り付けられ、自由に登れる展望台として訪問客を楽しませている。

志摩市
大王埼灯台
三重県志摩半島の大王崎の突端に建つ。大正時代、大王崎周辺の海では多くの人命を失う海難事故が続出。地元の船頭も「波切大王なけりゃよい」と嘆き謡うほどの難所に、地元から声が寄せられ灯台が誕生した。

高岡市
岩崎ノ鼻灯台
高岡市内唯一の灯台。海の玄関・伏木港が重要港湾に指定された同年に初点灯。以来、富山湾を往来する船舶の安全を見守り続けてきた。春には建設時に植栽された桜が美しい花を咲かせるため、「桜の灯台」と呼ばれる。

厚岸郡浜中町
湯沸岬灯台
北海道随一となる実効光度82万カンデラの灯台。急に濃い霧が立ち込めることから「霧多布岬」との通称を持つ湯沸岬に建つ。最近では野生のラッコが繁殖し、灯台までの遊歩道から鑑賞が出来る国内でも珍しい場所として知られている。

松江市
美保関灯台
島根半島東端の地蔵崎の先端に位置する灯台。山陰最古の石造灯台で、岬からは日本海を望み、晴れた日には隠岐の島を見ることもできる。2007年には灯台として初めて国の登録有形文化財に登録された

三浦市
安房埼灯台
一般公募により決定した三浦大根をモチーフとするデザイン灯台。建て直しに伴い、岩礁地帯から200m内側に入った城ヶ島公園内へと移設された。灯台の南東方約400mにある「高根神楽」を照らす照射灯も併設されている。(写真提供/三浦市)

上天草市
湯島灯台
江戸時代、島原の乱の戦略上の要衝となった湯島の西端に建つレトロな灯台。島の高台から島原湾、湯島瀬戸を往来する船を照らす。灯台周辺から眺望する長崎、普賢岳のパノラマは絶景。晴れた日には世界遺産の原城跡が望める。

銚子市
犬吠埼灯台
山頂や離島を除けば日本で一番早く初日の出を見ることができる、関東最東端の犬吠埼に立つ灯台。1874(明治7)年、当時の技師が苦心の末に国産化を成功させたレンガ19万3000枚を使って建造され、約150年の歳月に耐えて今なお大空にそびえ立つ。

知多郡美浜町
野間埼灯台
愛知県に現存する最古の灯台。2008年に改修工事が行われた際、レンズが第5フレネル式からLED灯器に変更された。灯台周辺を囲う高さ2.5mの鉄柵は、南京錠を掛けて恋愛の成就を願うカップル向けのスポットとしても広く認知されている。

佐伯市
鶴御埼灯台
九州最東端、鶴御崎の標高150mに位置する灯台。鶴御崎は軍事上の要衝であった歴史を有し、鶴御埼砲台跡地に建てられた灯台は豊後水道を行き交う船舶の安全を見守っている。灯台から少し歩いた先の展望台は紺碧の海が広がる絶景スポット。