愛知県 知多郡美浜町 野間埼灯台
愛知県に現存する最古の灯台。2008年に改修工事が行われた際、レンズが第5フレネル式からLED灯器に変更された。灯台周辺を囲う高さ2.5mの鉄柵は、南京錠を掛けて恋愛の成就を願うカップル向けのスポットとしても広く認知されている。
灯台データ
- 初点灯: 1921(大正10)年
- 灯台の高さ: 18m
- 灯りの高さ: 20m
- 形状: 白色・塔形
- 灯質: 等明暗白光
- 光達距離: 約15km
- レンズ・灯器: LED灯器V型(建設時は第五等不動フレネルレンズ)
- 構造: コンクリート造
- 設計者: 不明
地理データ
地理:三河湾と伊勢湾の境界
灯台が立つ美浜町は面積46.20㎢の緑豊かな町。東に三河湾、西に伊勢湾が広がる知多半島南部に位置し、東西両岸には平地が広がり、中央を南北に知多丘陵が連なっている。
気象:四季を通じて温和な気候
海、そして里山の豊かな自然に恵まれ温暖な気候と豊富な日射量で、町では新鮮な野菜や果物が栽培される。平均気温は15℃前後と過ごしやすく、年間降水量はおよそ1,500mmほど。
歴史:源義朝が眠る「大御堂寺」
平治の乱で平清盛に敗れた源頼朝の父、義朝は逃げ延びた先で長田忠致に討たれる。「ここに一ふりの太刀ありせばかかる遅れはとらぬものを」と言い残したとされ、現在も多くの木太刀が奉納されている。
伝説:恋の成就で人気「恋の水神社」
平安時代、家臣と恋に落ちた桜姫は、この地の神社には万病に効く清水「恋の水」があるという神のお告げを聞き神社を訪れたものの、清水にたどり着けぬまま生き絶えたという悲しい伝説がある。
漁業:ご当地ブランド「野間のり」
江戸時代には地酒、野菜、海産物の廻船業が発展。なかでも「野間のり」は、のりの養殖に適した豊かな海に恵まれて大いに発展。ほかにも豊富な魚を水揚げし、地域の産業を支えている。
農業:豊かな自然環境を活かした農業
知多地域を代表するミカンや路地野菜生産のほか酪農が盛ん。名古屋に近い都市近郊での酪農は、戦後より乳牛を中核に多頭飼育が発達。地域独特の生育法として酒やみりんのしぼり粕を牛の餌に混ぜていた。
食文化:5倍サイズの「焼き大アサリ」
愛知には味噌や醤油、みりんによる煮込み料理や、組み合わせることで新たな食べ方を発見する食文化が根付いている。漁業が盛んな美浜では、通常の5倍もの大きさのアサリを焼いた「焼き大アサリ」が名物。
伝統行事:250年続く「上野間の裸まいり」
大晦日の夜、16~22歳の若衆が厄年の男性の家を訪ねて雑煮を食べ振るまわれ、入浴、仮眠ののち、午前零時に上野間漁港の海岸へ。海水に裸で浸り禊をし、明け方まで伊勢音頭を踊り酒を飲む奇祭が続く。

「海と灯台のまち」の灯台をもっと見る
京丹後市
経ヶ岬灯台
京都府北部にある丹後半島の最北端に建つ灯台。灯台のレンズはフランス製の第1等フレネルレンズで国内でも貴重なもの。通常は内部に入ることができないが、秋の一定期間のみ一般公開される。
利尻郡利尻富士町
鴛泊灯台
利尻島の北端・ペシ岬の中腹に建つ灯台。晴れた日には隣の礼文島のほか、サハリン島を見ることもできる。島内には利尻山やオタドマリ沼といった景勝地が点在し、利尻礼文サロベツ国立公園の一部として指定されている。
西津軽郡深浦町
艫作埼灯台
白神山地を仰ぐ青森県深浦町の海岸線に建つ灯台。日本海北部の灯台では最大級の高さを誇る。青森県北部の龍飛岬と秋田県男鹿半島の入道崎の中間に位置し、漁船や南北を航行する船を広範囲に見守る。
七尾市
能登観音埼灯台
大正時代、七尾湾を航行する船舶の安全を確保するため石川県が建設。当初は七尾湾口灯台と名付けられたが、1966(昭和41)年に現在の名称に。1986(昭和61)年、機器自動化に伴い、形も四角形ビルディング型から白色塔形に建て替えられた。
糸魚川市
能生港灯台
日本海に浮かぶ岩礁「弁天岩」の上に建つ観光灯台。現在は現役灯台としての役目を終え、シンボル的存在に。海岸から岩へは赤い欄干の「曙橋」でつながり、灯台の足元には海の守り神を祀る厳島神社が鎮座する。
室戸市
室戸岬灯台
室戸岬の先端、標高151mの山上にそびえ、日本一の光達距離を有する灯台。1899(明治32)年の建造当時から改築されていない鉄造の灯台で、直径2.6mにも及ぶ国内最大級の第1等レンズを誇る。灯台守が暮らしていた石造りの官舎が今なお残る。
厚岸郡浜中町
湯沸岬灯台
北海道随一となる実効光度82万カンデラの灯台。急に濃い霧が立ち込めることから「霧多布岬」との通称を持つ湯沸岬に建つ。最近では野生のラッコが繁殖し、灯台までの遊歩道から鑑賞が出来る国内でも珍しい場所として知られている。
笠岡市
六島灯台
岡山県の最南端とされる「六島(むしま)」に建つ灯台。大型船舶が往来する海域ながら、潮流が速く事故が多発していた六島と香川県・荘内半島の海域の安全のために建てられた。現在も不動フレネル式レンズを残す貴重な灯台でもある。
三原市
佐木島灯台
瀬戸内海に浮かぶ佐木島の北部にある小型の灯台。佐木島の周辺には島が多く、フェリーでの行き来が主な交通手段となっている。佐木島の港へ入る船上から、豊かな緑に囲まれた灯台の姿を見ることができる。
下閉伊郡普代村
陸中黒埼灯台
1947(昭和22年)に地元漁協が「普代灯柱」として設置。三陸復興国立公園の海岸段丘の景勝地に建ち、青い海と山の緑にひときわ映える白亜の灯台。北緯40度線上の灯台として、日本海側の入道埼灯台(秋田県雄鹿半島)と対をなす。
肝属郡南大隅町
佐多岬灯台
九州最南端の大隅半島佐多岬の先に浮かぶ大輪島に立つ灯台。江戸幕府が諸外国と結んだ条約に基づいて建てられた8つの灯台のひとつで、「日本の灯台の父」と呼ばれるイギリス人技師ブラントンが設計した。初点灯時は鉄造だったが、太平洋戦争の空襲で大破し、コンクリート造に建て替えられた。
志摩市
安乗埼灯台
全国的にも珍しい四角柱型の灯台。入り組んだ海岸で暗礁が多く、江戸時代には灯明台が置かれていた海の難所に建てられた。全国に16基ある「のぼれる灯台」のひとつで、バルコニーから穏やかな的矢湾と波が打ち寄せる太平洋が一望できる。「日本の灯台50選」のひとつ。





