沖縄県 中頭郡読谷村 残波岬灯台
沖縄本島、東シナ海に面する残波岬の突端に建つ。終戦後、米軍の実弾練習場だった場所に建てられた白亜の灯台で、日本返還後に初点灯。灯台周辺は現在、沖縄海岸国定公園に指定され、沖縄本島有数のスポットとなっている。
灯台データ
- 初点灯: 1974(昭和49)年
- 灯台の高さ: 30.61m
- 灯りの高さ: 40.03m
- 形状: 白色・塔形
- 灯質: 群閃白光
- 光達距離: 約33km
- レンズ・灯器: LB-90型
- 構造: コンクリート造
- 設計者: 不明
地理データ
地理:日本で最も人口が多い「灯台の村」
灯台の立つ読谷村は沖縄本島中部に位置し日本の村では人口が最も多く、人口密度も高い。村には残波岬のほか世界遺産に認定された座喜味城跡や、やちむんの里など、人観光名所も見受けられる。
気象:10月いっぱいまで海水浴が楽しめる
猛暑が続く夏の国内旅行で行先に沖縄が選ばれるのは、海風が吹くことで猛暑日が少ないことが挙げられる。また10月まで海水浴が楽しめる気候で、灯台周辺でも長い夏を心地よく過ごせる
歴史:世界遺産「琉球王国のグスクおよび関連遺産群」
琉球王朝の時代から那覇にもほど近い村周辺は文化・経済の中心だっただけでなく、霊地としての役割も持っていた。琉球で生まれた独自の自然信仰・崇拝が、伝統として現代にも受け継がれている。
伝説:沖縄唄三線の始祖「赤犬子」
村の守り神と言い伝えられる赤犬子は、琉球古典音楽の始祖とされ、楚辺にある「赤犬子宮」に祀られている。毎年旧暦9月20日には「赤犬子まつり」、秋には読谷まつりで「赤犬子琉球古典音楽大演奏会」が奉納される。
村魚:広く人気の「ジンベイザメ」
沖縄県は県魚の「グルクン」をはじめ19の市町村で水産業振興および観光漁業のシンボルが制定されている。読谷村では、沖縄美ら海水族館のほか県内外の水族館へ出荷している「ジンベイザメ」を村魚に指定。
農業:「紅イモの里」読谷村
水はけのよい沖縄の土壌では、台風や干ばつに強い紅イモがよく育ち、村でも盛んに栽培される。ただ、生の紅イモは県外から持ち出しが禁止されており、紅いもタルトに代表される加工品が人気だ。
食文化:学校給食にも登場する「もずく丼」
村で生産された新鮮なもずくを用いた「もずく丼」は、地元の学校給食の献立にも採用の地域に根付いた料理。ほんのりピリ辛のひき肉ともずくを甘口、うまからのタレをかけて、飲むように食する。
特産物:紋織物「読谷山花織」
「読谷山花織」は生地に先染めされた糸で花のような幾何学文様を織り込む織物。絹糸または綿糸を素材に使用し、琉球藍や福木、すおうなどで染める。琉球王朝時代は王族と読谷村民意外は着ることができなかった。

「海と灯台のまち」の灯台をもっと見る

小樽市
日和山灯台
北海道で2番目に建設された歴史ある灯台。船乗りたちが出港前に天候や空模様(=日和)を観察した「日和山」に立ち、石狩湾を一望できる。建設当時は白色の木造灯台で、1953(昭和28)年にコンクリート造に改築された。1968(昭和43)年から現在の紅白ストライプに。

美方郡香美町
余部埼灯台
灯りの高さが日本一の灯台。「日本の夕陽百選」にも選ばれた日本海を一望できる高台からは、夏場になると幻想的で美しいイカ釣り漁船の漁火を見ることができる。地元では地名をとった「御崎灯台」の名で親しまれる。

御前崎市
御前埼灯台
1874年(明治7)年、「日本の灯台の父」と呼ばれるイギリス人技師ブラントンの設計により完成したレンガ造りの灯台。戦争で損傷を受けたが修理され、今なお建造当時の姿を留めている。のぼれる灯台16基のひとつで、近代化産業遺産、重要文化財などに指定されている。

室戸市
室戸岬灯台
室戸岬の先端、標高151mの山上にそびえ、日本一の光達距離を有する灯台。1899(明治32)年の建造当時から改築されていない鉄造の灯台で、直径2.6mにも及ぶ国内最大級の第1等レンズを誇る。灯台守が暮らしていた石造りの官舎が今なお残る。

京丹後市
経ヶ岬灯台
京都府北部にある丹後半島の最北端に建つ灯台。灯台のレンズはフランス製の第1等フレネルレンズで国内でも貴重なもの。通常は内部に入ることができないが、秋の一定期間のみ一般公開される。

珠洲市
禄剛埼灯台
明治期、能登半島の最突端、珠洲市の禄剛崎に建てられた石造の灯台。レンズを固定させ、遮蔽板を回転させることで灯火を点滅させる珍しい手法を用いた。石材を人力で崖下から運ぶ難工事の末に完成。


銚子市
犬吠埼灯台
山頂や離島を除けば日本で一番早く初日の出を見ることができる、関東最東端の犬吠埼に立つ灯台。1874(明治7)年、当時の技師が苦心の末に国産化を成功させたレンガ19万3000枚を使って建造され、約150年の歳月に耐えて今なお大空にそびえ立つ。

三原市
佐木島灯台
瀬戸内海に浮かぶ佐木島の北部にある小型の灯台。佐木島の周辺には島が多く、フェリーでの行き来が主な交通手段となっている。佐木島の港へ入る船上から、豊かな緑に囲まれた灯台の姿を見ることができる。

出雲市
出雲日御碕灯台
島根県出雲市にある「島根半島」の西端に建つ灯台で、石造の灯台としては43.65mと日本一の高さを誇る。全国に5基しかない第1等フレネルレンズが現役で稼働している灯台で、その文化的価値も高く評価されている。

志摩市
大王埼灯台
三重県志摩半島の大王崎の突端に建つ。大正時代、大王崎周辺の海では多くの人命を失う海難事故が続出。地元の船頭も「波切大王なけりゃよい」と嘆き謡うほどの難所に、地元から声が寄せられ灯台が誕生した。

いわき市
塩屋埼灯台
白砂青松の美しい海岸線が続く「いわき七浜」の中央付近、薄磯海岸の断崖に立つ灯台。のぼれる灯台16基のひとつ。1956(昭和31)年に雑誌に掲載された、当時の塩屋埼灯台長の妻、田中きよの手記が、翌年公開された映画『喜びも悲しみも幾年月』の原点となったことでも知られる。