愛媛県 西宇和郡伊方町 佐田岬灯台
四国の西端に突き出た佐田岬半島の先端に建つ。対岸には豊予海峡を挟んだ佐賀関(大分県)があり、佐田岬灯台の光が届く。灯台で使われているレンズは佐賀関にある関崎灯台から移設されたもの。
灯台データ
- 初点灯: 1918(大正7)年
- 灯台の高さ: 18m
- 灯りの高さ: 46m
- 形状: 白塔形
- 灯質: 群せん白光
- 光達距離: 約35km
- レンズ・灯器: 第三等大型閃光フレネルレンズ(建設時は第三等閃光フレネルレンズ)
- 構造: コンクリート造
- 設計者: 不明
地理データ
地理:海抜約30mの岬の先端で海を見守る灯台
佐田岬半島は東西約50kmにわたる半島で「日本一細長い半島」としても知られる。約1.8kmの遊歩道の先に灯台や展望台があり、展望台からは灯台と海を望むことができる。
気象:海風を利用した風力発電
海から切り立った細長い半島のため、風をさえぎる高い山岳がない。そのため海から強い風が吹き、これを活用するべく風力発電が行われている。
歴史:高知と大分を結ぶ街道として人が往来
半島には集落が点在する。昭和中期に高知~愛媛、大分を結ぶ国道197号が開通。このうち佐田岬半島上を走る部分は「佐田岬メロディーライン」と呼ばれる。
信仰:町内最高峰で行われる厳かな「伽藍祭り」
灯台が属する伊方町内で最も高い標高414mの伽藍山には、四国霊場を模した石仏などが並ぶ。春には地元の人々によって「伽藍祭り」が催されるなど信仰の場としても知られている。
漁業:海士漁など伝統漁法が息づく
瀬戸内海と宇和海の2つの海で漁ができる伊方町。半島周辺はアワビやサザエなどが豊富で、海士(あまし)漁や一本釣り、刺し網漁などの伝統漁法が継承されている。
その他:“風車のまち”としてクリーンなエネルギーを
年間を通して強い風が吹く佐田岬半島。恵まれた風力資源を生かし、クリーンな電気を発電。「みさき風の丘パーク」など尾根沿いに立ち並ぶ風車の姿は圧巻。
食文化:県下屈指の産地で「みかんジュース」も豊富
光と潮風という自然条件が甘さと酸味のバランスが取れたみかんを育てる愛媛。中でも屈指の産地である西宇和島地区では、「手作りみかんジュース」も種類豊富で人気。
伝統芸能:唯一無二のデザインが映える「裂織り」
伊方町に伝わる手業、「裂織り」。着なくなった服を裂き、再利用する方法で、先人の知恵として重宝されていた。この伝統的な織物を復活させ、まちづくりに生かす取組みがスタート。

「海と灯台のまち」の灯台をもっと見る

松山市
釣島灯台
愛媛県松山市の西方約5kmに位置する釣島に建つ、明治期に建設された石造の歴史的灯台。愛媛県初の西洋式灯台であり、敷地内に付帯する灯台職員用の宿舎・倉庫と共に保守され、当時の面影を今に遺す。松山市有形文化財に指定。

志摩市
大王埼灯台
三重県志摩半島の大王崎の突端に建つ。大正時代、大王崎周辺の海では多くの人命を失う海難事故が続出。地元の船頭も「波切大王なけりゃよい」と嘆き謡うほどの難所に、地元から声が寄せられ灯台が誕生した。

厚岸郡浜中町
湯沸岬灯台
北海道随一となる実効光度82万カンデラの灯台。急に濃い霧が立ち込めることから「霧多布岬」との通称を持つ湯沸岬に建つ。最近では野生のラッコが繁殖し、灯台までの遊歩道から鑑賞が出来る国内でも珍しい場所として知られている。

上天草市
湯島灯台
江戸時代、島原の乱の戦略上の要衝となった湯島の西端に建つレトロな灯台。島の高台から島原湾、湯島瀬戸を往来する船を照らす。灯台周辺から眺望する長崎、普賢岳のパノラマは絶景。晴れた日には世界遺産の原城跡が望める。

竹原市
大久野島灯台
広島県竹原市に属し、瀬戸内海に浮かぶ大久野島に建つ灯台。難所とされる「来島海峡」を避けるための航路に置かれた航路標識の1つで、現在のものは2代目。初代の大久野島灯台は香川県の「四国村」に移設されている。

志摩市
安乗埼灯台
全国的にも珍しい四角柱型の灯台。入り組んだ海岸で暗礁が多く、江戸時代には灯明台が置かれていた海の難所に建てられた。全国に16基ある「のぼれる灯台」のひとつで、バルコニーから穏やかな的矢湾と波が打ち寄せる太平洋が一望できる。「日本の灯台50選」のひとつ。

京丹後市
経ヶ岬灯台
京都府北部にある丹後半島の最北端に建つ灯台。灯台のレンズはフランス製の第1等フレネルレンズで国内でも貴重なもの。通常は内部に入ることができないが、秋の一定期間のみ一般公開される。

網走市
能取岬灯台
大正時代、逓信省による航路標識事業で建てられた灯台。霧信号所も設置され、1948(昭和23)年までは灯台守が併設の宿舎に住んでいた。流氷により航行が途絶える2~3月は業務を休止していた。

積丹郡積丹町
神威岬灯台
アイヌ語で「神」を意味する“カムイ”の名を冠する灯台。灯台へ続く遊歩道「チャレンカの小道」は起伏に富み、300度で見渡せる丸い水平線や神秘的な「積丹ブルー」の海など、まさに神の領域のような絶景の中に建つ。

下閉伊郡普代村
陸中黒埼灯台
1947(昭和22年)に地元漁協が「普代灯柱」として設置。三陸復興国立公園の海岸段丘の景勝地に建ち、青い海と山の緑にひときわ映える白亜の灯台。北緯40度線上の灯台として、日本海側の入道埼灯台(秋田県雄鹿半島)と対をなす。

出雲市
出雲日御碕灯台
島根県出雲市にある「島根半島」の西端に建つ灯台で、石造の灯台としては43.65mと日本一の高さを誇る。全国に5基しかない第1等フレネルレンズが現役で稼働している灯台で、その文化的価値も高く評価されている。
