福井県 丹生郡越前町 越前岬灯台
海抜131mの断崖の上に建つ白亜の灯台。岬からの絶景は「日本の夕陽百選」にも選ばれている。越前海岸周辺は日本海側随一の「日本三大水仙群生地」として知られ、冬になると灯台は一面に咲く越前水仙に彩られる。
灯台データ
- 初点灯: 1940(昭和14)年
- 灯台の高さ: 16m
- 灯りの高さ: 131m
- 形状: 白塔形
- 灯質: 単閃白光
- 光達距離: 約40km
- レンズ・灯器: LB-M30型
- 構造: コンクリート造
- 設計者: 不明
地理データ
地理:奇岩断崖が特徴の隆起海岸
若狭湾に面する国定公園である越前海岸は、高さ100mの大絶壁「鳥糞岩」や水平線の丸みも見て取れる大パノラマの「越前岬」、風と波に浸食された大きな穴を持つ「鳴鳥門」など、隆起海岸特有の奇岩断崖が続く。
気象:多雨多湿の日本海型気候
北陸地方の特徴である日本海型気候となり、雨と湿気が多い地域となっている。冬は曇りや雪の日が多い。
歴史:戦国武将・織田信長のルーツとなる町
荘園「越前町・織田荘」の荘官であり劔神社の神官だった信長公の祖先が、尾張の国に派遣された際に地名からとって”織田“姓を名乗ったという。劔神社の神紋は、織田家の家紋と同じ「織田木瓜紋(五つ木瓜紋)」。
信仰:漁師の守り神「玉川洞窟観音」
漁師網にかかった十一面観音を祀ったとの説があり、海上安全を祈願する漁業関係者を中心に参拝者が訪れる。
漁業:全国ブランドの「越前がに」
ズワイガニの中でも有名な「越前がに」は福井県随一の水揚げを誇る。また近年は越前漁港で豊富に獲れるアカガレイを「越前がれい」の名でブランド化を図る。
その他:古くから愛される越前焼
平安時代末期から焼かれる日本古来の陶磁器で、現在も多くの窯元がある。日本六古窯の1つに挙げられ、釉薬を使わず焼き上げる素朴な風合いが愛されている。
食文化:伝統の保存食「へしこの漬け込み」
鯖を糠で漬けた「鯖のへしこ」は1年以上かけてじっくりと自然熟成させる福井の味覚。酒の肴にぴったりの「焼へしこ」や三枚におろす「刺身」などで食される。
伝統芸能:300年以上前から伝わる「明神ばやし」
劔神社で毎年行われる例大祭で奉納される神事。はやし太鼓には6つの型があり、それをもって豊作を祝い、働く者への感謝を表す。県の無形民俗文化財。

「海と灯台のまち」の灯台をもっと見る

下閉伊郡普代村
陸中黒埼灯台
1947(昭和22年)に地元漁協が「普代灯柱」として設置。三陸復興国立公園の海岸段丘の景勝地に建ち、青い海と山の緑にひときわ映える白亜の灯台。北緯40度線上の灯台として、日本海側の入道埼灯台(秋田県雄鹿半島)と対をなす。

稚内市
稚内灯台
雪でも視認しやすいよう塗装された紅白のストライプ柄が特徴。建造当時は南側に約900m離れた丘の上にあり、1966(昭和41)年に現在地に建て替えられた際、海面から灯火までの高さが移設前と同じになるよう建てられたため、北海道で最も背の高い灯台となった(塔高42.7m)。「日本の灯台50選」のひとつ。

賀茂郡南伊豆町
石廊埼灯台
江戸時代には燈明堂が置かれ、毎晩かがり火が焚かれていたという海の難所、伊豆半島最南端の岬に立つ灯台。1871(明治4)年に英国人技師ブラントンによって木造灯台として建てられ、1933(昭和8)年にコンクリート造に建て替えられた。「日本の灯台50選」のひとつ。

七尾市
能登観音埼灯台
大正時代、七尾湾を航行する船舶の安全を確保するため石川県が建設。当初は七尾湾口灯台と名付けられたが、1966(昭和41)年に現在の名称に。1986(昭和61)年、機器自動化に伴い、形も四角形ビルディング型から白色塔形に建て替えられた。

男鹿市
入道埼灯台
日本海を望む男鹿半島に建つ白黒のシマ模様をした灯台。全国に16基ある参観灯台の1つ。初点灯100周年を記念して設置された灯台資料展示室では、当時使用していたレンズほか灯台の関係資料を閲覧することができる。

厚岸郡浜中町
湯沸岬灯台
北海道随一となる実効光度82万カンデラの灯台。急に濃い霧が立ち込めることから「霧多布岬」との通称を持つ湯沸岬に建つ。最近では野生のラッコが繁殖し、灯台までの遊歩道から鑑賞が出来る国内でも珍しい場所として知られている。


下北郡東通村
尻屋埼灯台
東北初の洋式灯台。古くから難破船の多い岬として恐れられていた尻屋崎。明治に入り世界各国との貿易を進めるにあたり船舶安全のために建てられた。レンガ造灯台としては高さ日本一を誇る。2022年12月、国の重要文化財に指定。

美方郡香美町
余部埼灯台
灯りの高さが日本一の灯台。「日本の夕陽百選」にも選ばれた日本海を一望できる高台からは、夏場になると幻想的で美しいイカ釣り漁船の漁火を見ることができる。地元では地名をとった「御崎灯台」の名で親しまれる。

京丹後市
経ヶ岬灯台
京都府北部にある丹後半島の最北端に建つ灯台。灯台のレンズはフランス製の第1等フレネルレンズで国内でも貴重なもの。通常は内部に入ることができないが、秋の一定期間のみ一般公開される。

下関市
角島灯台
日本海側に造られた灯台としては初の大型灯台。無塗装の灯台は日本に2基あるが、そのうちの1つ。レンズは日本に5基しかない第1等フレネルレンズで、高い歴史・文化的価値を認められており、常時一般公開されている「参観灯台」でもある。

下田市
爪木埼灯台
伊豆半島の東海岸から太平洋に突き出た須崎半島の先端に建つ灯台。周辺は爪木崎自然公園として整備されている。野水仙の群生地であり、冬場のピーク時には300万本もの水仙が咲き誇り、遊歩道となって灯台へと誘う。