青森県 西津軽郡深浦町 艫作埼灯台
白神山地を仰ぐ青森県深浦町の海岸線に建つ灯台。日本海北部の灯台では最大級の高さを誇る。青森県北部の龍飛岬と秋田県男鹿半島の入道崎の中間に位置し、漁船や南北を航行する船を広範囲に見守る。
灯台データ
- 初点灯: 1941(昭和16)年
- 灯台の高さ: 24m
- 灯りの高さ: 68m
- 形状: 白塔形
- 灯質: 単せん白光
- 光達距離: 約21km
- レンズ・灯器: LU-M型灯器(建設時は第三等閃光フレネルレンズ)
- 構造: コンクリート造
- 設計者: 不明
地理データ
地理:夕日とツバキの美しい町
灯台の建つ深浦町は、日本夕日百選にも選ばれた青森県西端の町。南方に位置する椿山にはツバキが群生し、日本海側野生ツバキの北限。平らな岩場が広がる海岸「千畳敷」などを有し、付近は津軽国定公園に指定。
気象:過ごしやすい温帯性気候
日本海側へなだらかに突き出た地形で三方を海で囲まれた周辺は年平均10℃前後。7~8月でも21~23℃。12月~2月は1~マイナス2℃と、冬でも比較的しのぎやすい温帯性気候が特徴となっている。
歴史:津軽の雄「安東季長」
鎌倉時代末期は津軽の雄、安東季長が城を構えた深浦。江戸時代には北前船が盛んに行き交い、津軽一の「風待ち港」と称され、活気あふれ商人たちで賑わった当時の足跡は資料館「風待ち館」で触れることができる。
伝説:海賊が残した「財宝伝説」
北前船が往来し、地形的にも海運の要衝となった深浦には、海賊が財宝を隠したとされる「ガンガラ穴」や、日本海を駆け抜けた海賊・黄金崎善衛門が残した財宝が町のどこかに眠るという財宝伝説が伝わる。
漁業:四季を通じて盛んな「沿岸漁業」
白神山地から豊かな栄養素が染み込む海が広がるこの地では、定置網、底建網などを主体とする沿岸漁業が盛んに行われ、年間を通じてさまざまな魚が港に揚がる。主要魚種はマグロ、ブリ類、ヤリイカ、メバル、サザエなど。
農業:フルーティーな甘さの「ふかうら雪人参」
世界自然遺産の白神産地から流れ出る清らかな水で育てられる「ふかうら雪人参」は野菜とは思えない甘さ。冬場に雪の下から1本1本丁寧に手堀りで収穫される甘いニンジンは糖度9度前後で栄養価も高い。
食文化:新ご当地グルメ「深浦マグロステーキ丼」
深浦町産の天然本マグロを3個の小どんぶりで楽しむ新ご当地グルメ。マグロは刺身、片面焼き、両面焼きでいただく、まさにマグロづくしの丼。青森県は大間のマグロが有名だが、漁獲量県内1位は深浦町。
伝統芸能:刺し子模様が特徴の「こぎん硝子」
青森県津軽地方の伝統工芸、津軽こぎん刺しの模様をガラスに入れ込んだ「こぎん硝子」。小さな模様から津軽地方の生活の営みにおける小さなよろこびや豊かな眼差しを感じる。ほのかに透き通る刺し子模様は、硝子ならではの表情を見せる。

「海と灯台のまち」の灯台をもっと見る
出雲市
出雲日御碕灯台
島根県出雲市にある「島根半島」の西端に建つ灯台で、石造の灯台としては43.65mと日本一の高さを誇る。全国に5基しかない第1等フレネルレンズが現役で稼働している灯台で、その文化的価値も高く評価されている。
長崎市
伊王島灯台
1866(慶応2)年、米・英・仏・蘭の4ヶ国と結ばれた江戸条約により、全国8ヶ所に設置された灯台の一つ。日本初の鉄造六角形の洋式灯台でもある。灯台のドーム型の天井部分は、原爆の被害を受けつつも、そのままの形状に復元された。
下閉伊郡普代村
陸中黒埼灯台
1947(昭和22年)に地元漁協が「普代灯柱」として設置。三陸復興国立公園の海岸段丘の景勝地に建ち、青い海と山の緑にひときわ映える白亜の灯台。北緯40度線上の灯台として、日本海側の入道埼灯台(秋田県雄鹿半島)と対をなす。
銚子市
犬吠埼灯台
山頂や離島を除けば日本で一番早く初日の出を見ることができる、関東最東端の犬吠埼に立つ灯台。1874(明治7)年、当時の技師が苦心の末に国産化を成功させたレンガ19万3000枚を使って建造され、約150年の歳月に耐えて今なお大空にそびえ立つ。
厚岸郡浜中町
湯沸岬灯台
北海道随一となる実効光度82万カンデラの灯台。急に濃い霧が立ち込めることから「霧多布岬」との通称を持つ湯沸岬に建つ。最近では野生のラッコが繁殖し、灯台までの遊歩道から鑑賞が出来る国内でも珍しい場所として知られている。
日向市
細島灯台
細島港入口の日向岬に位置する灯台。1910(明治43)年に赤レンガ造りの灯台として造られ、1941(昭和16)年に現在の灯台に。半円アーチ型の出入り口、バルコニーを支える持ち送りのデザインが特徴的。2019(平成31)年に国の有形文化財に登録された。
新潟市西蒲区
角田岬灯台
佐渡海峡を渡る船舶の道しるべとなる灯台。灯台の足元には、源頼朝に追われた義経が舟と共に身を隠したとされる名勝「判官舟かくし」が顔をのぞかせ、眼下には日本海の大パノラマと角田浜の白い砂浜が広がる。
肝属郡南大隅町
佐多岬灯台
九州最南端の大隅半島佐多岬の先に浮かぶ大輪島に立つ灯台。江戸幕府が諸外国と結んだ条約に基づいて建てられた8つの灯台のひとつで、「日本の灯台の父」と呼ばれるイギリス人技師ブラントンが設計した。初点灯時は鉄造だったが、太平洋戦争の空襲で大破し、コンクリート造に建て替えられた。
和歌山市
友ヶ島灯台
明治初期に建設された歴史的価値の高い石造の洋式灯台。紀淡海峡に浮かぶ無人島群「友ヶ島」の中心となる沖ノ島に建つ灯台で、砲台跡など島にはかつて軍事要塞島だった名残が残る。国の登録有形文化財。
糸魚川市
能生港灯台
日本海に浮かぶ岩礁「弁天岩」の上に建つ観光灯台。現在は現役灯台としての役目を終え、シンボル的存在に。海岸から岩へは赤い欄干の「曙橋」でつながり、灯台の足元には海の守り神を祀る厳島神社が鎮座する。
稚内市
稚内灯台
雪でも視認しやすいよう塗装された紅白のストライプ柄が特徴。建造当時は南側に約900m離れた丘の上にあり、1966(昭和41)年に現在地に建て替えられた際、海面から灯火までの高さが移設前と同じになるよう建てられたため、北海道で最も背の高い灯台となった(塔高42.7m)。「日本の灯台50選」のひとつ。





