徳島県 阿南市 蒲生田岬灯台
四国の最東端、徳島県阿南市の蒲生田岬に建つ灯台。高知県にもまたがる室戸阿南海岸国定公園に属する。蒲生田岬灯台と紀伊日ノ御埼灯台(和歌山県)を結んだラインまでが瀬戸内海と定義される重要な灯台。
灯台データ
- 初点灯: 1924(大正13)年(1972年改装)
- 灯台の高さ: 11.5m
- 灯りの高さ: 49.6m
- 形状: 白塔形
- 灯質: 単閃白光
- 光達距離: 約19km
- レンズ: LED灯器(詳細不明)
- 構造: コンクリート造
- 設計者: 不明
地理データ
地理:優れた眺望の岬に建つ灯台
海抜およそ30mの岬の上にあるため、晴れた日には灯台から淡路島や和歌山県の陸地を望むことができる。岬の北寄りにある砂浜には、県の指定希少野生動植物種に指定されているアカウミガメが産卵にやってくる。
気象:亜熱帯植物も生育する温暖な気候
太平洋と瀬戸内海の境界ということもあり、温暖な気候。岬の根元には亜熱帯植物が群生する大池という池がある。
歴史:岩場の多い難所で、外国船の座礁事故も
岬と沖にある伊島の間は「橋杭の瀬」と呼ばれる難所。灯台建設前の明治35年(1902年)には英国船カーゼーシー号が座礁・沈没する事故も起きている。
信仰:佐田神社の「だらだら祭」
岬の北側に位置する椿泊にある佐田神社の秋祭は、開催期間が長かったことでだらだら祭と呼ばれる。神輿が船に乗って多くの漁船とともに椿泊の海をめぐる「岬祭り」は祭りの目玉のひとつ。
漁業:伝統のシラウオ漁が春の風物詩に
春の椿町では、町を流れる椿川で四つ手網を使ったシラウオ漁が行われる。シラウオは地元で「ヒウオ」とも呼ばれ、踊り食いや卵とじ、天ぷらなどにして食される。
その他:“光のまち”としてPRに取り組む
阿南市には世界で初めて青色発光ダイオード(青色LED)を開発した企業の本社があり、「光のまち阿南」としてイルミネーションやイベントなどの観光PRが行われている。
食文化:海賊のように豪快にいただく「海賊料理」
阿南海岸ではとれたてのアワビやサザエ、イセエビなどが豊富に手に入る。それらを網焼きで豪快に食べる郷土料理「海賊料理」がある。
伝統芸能:病魔退散を願った獅子舞が現在にも残る
阿南市の無形民俗文化財「浦ノ内の獅子舞」は、天保年間に流行した疫病を鎮めるために浦ノ内の芳川和三郎が獅子舞で病魔退散を願ったのが始まりで、現在も杉尾神社の秋祭で奉納される。
海と灯台のまち紹介その他の海と灯台のまち紹介
糸魚川市
能生港灯台
日本海に浮かぶ岩礁「弁天岩」の上に建つ観光灯台。現在は現役灯台としての役目を終え、シンボル的存在に。海岸から岩へは赤い欄干の「曙橋」でつながり、灯台の足元には海の守り神を祀る厳島神社が鎮座する。
網走市
能取岬灯台
大正時代、逓信省による航路標識事業で建てられた灯台。霧信号所も設置され、1948(昭和23)年までは灯台守が併設の宿舎に住んでいた。流氷により航行が途絶える2~3月は業務を休止していた。
七尾市
能登観音埼灯台
大正時代、七尾湾を航行する船舶の安全を確保するため石川県が建設。当初は七尾湾口灯台と名付けられたが、1966(昭和41)年に現在の名称に。1986(昭和61)年、機器自動化に伴い、形も四角形ビルディング型から白色塔形に建て替えられた。
下田市
爪木埼灯台
伊豆半島の東海岸から太平洋に突き出た須崎半島の先端に建つ灯台。周辺は爪木崎自然公園として整備されている。野水仙の群生地であり、冬場のピーク時には300万本もの水仙が咲き誇り、遊歩道となって灯台へと誘う。
男鹿市
入道埼灯台
日本海を望む男鹿半島に建つ白黒のシマ模様をした灯台。全国に16基ある参観灯台の1つ。初点灯100周年を記念して設置された灯台資料展示室では、当時使用していたレンズほか灯台の関係資料を閲覧することができる。
上天草市
湯島灯台
江戸時代、島原の乱の戦略上の要衝となった湯島の西端に建つレトロな灯台。島の高台から島原湾、湯島瀬戸を往来する船を照らす。灯台周辺から眺望する長崎、普賢岳のパノラマは絶景。晴れた日には世界遺産の原城跡が望める。
美方郡香美町
余部埼灯台
灯りの高さが日本一の灯台。「日本の夕陽百選」にも選ばれた日本海を一望できる高台からは、夏場になると幻想的で美しいイカ釣り漁船の漁火を見ることができる。地元では地名をとった「御崎灯台」の名で親しまれる。
旭市
飯岡灯台
千葉県北東部、九十九里浜の北端から連な素屛風ヶ浦の南端に位置する刑部岬に建つ灯台。約60mの断崖絶壁から見る絶景は、「日本の朝日百選」や「日本の夜景100選」ほか数々の栄冠に輝いている。また、灯台周辺は上永井公園として整備され、展望館も新設された。
下関市
角島灯台
日本海側に造られた灯台としては初の大型灯台。無塗装の灯台は日本に2基あるが、そのうちの1つ。レンズは日本に5基しかない第1等フレネルレンズで、高い歴史・文化的価値を認められており、常時一般公開されている「参観灯台」でもある。
三原市
佐木島灯台
瀬戸内海に浮かぶ佐木島の北部にある小型の灯台。佐木島の周辺には島が多く、フェリーでの行き来が主な交通手段となっている。佐木島の港へ入る船上から、豊かな緑に囲まれた灯台の姿を見ることができる。
積丹郡積丹町
神威岬灯台
アイヌ語で「神」を意味する“カムイ”の名を冠する灯台。灯台へ続く遊歩道「チャレンカの小道」は起伏に富み、300度で見渡せる丸い水平線や神秘的な「積丹ブルー」の海など、まさに神の領域のような絶景の中に建つ。