香川県 高松市 高松港玉藻防波堤灯台
1964(昭和39)年に「高松港西防波堤灯台」として初点灯。後年、港湾事業によって北側へと伸びた防波堤の先端へ移設される。赤基調の灯台で、「赤灯台」「せとしるべ」の愛称で高松港のランドマークとしても親しまれる。
灯台データ
- 初点灯: 1964(昭和39)年(1998年に改築移設)
- 灯台の高さ: 14.2m
- 灯りの高さ: 17.2m
- 形状: 赤色塔形ガラス張
- 灯質: 等明暗赤光
- 光達距離: 約20km
- レンズ・灯器: 第5等不動フレネルレンズ
- 構造: 鉄骨造
- 設計者: 日本航路標識協会
地理データ
地理:約500mの遊歩道の先端にたたずむ
港として整備された場所に建つため、遊歩道の整備なども進んでいる。防波堤先端への移設後は行き交う船の光を背景に赤く光る灯台の姿を見に訪れる人も多い。
地形:重要港湾として多くの船が行き交う
11世紀ころから「野原郷」と呼ばれ港として栄えてきた。近代以降には重要港湾としての指定も受けている港のため海は穏やかだが、多くの船が行き交うため高度な操舵技術が求められる。
歴史:交易で栄え、近代以降も開発が進む港
1587年には領主となった生駒親正によって港のそばに高松城が築かれた。高松城の別名「玉藻城」は、万葉集で讃岐国の枕詞が「玉藻よし」と詠まれたことにちなむ。
信仰:雨を降らせる「龍神」をあがめる文化
高松市内には多くの神社があり、その一の宮として知られるのが「田村神社」。709年に創建されたといい、水神である“龍神”の伝説が残る。水不足に陥りやすい讃岐平野で広く信仰されてきた。
漁業:“天然のいけす”瀬戸内海でとれる多彩な水産
ハマチ養殖発祥の地でもある香川県。それぞれに特徴の異なる「ひけた鰤」「なおしまハマチ」「オリーブハマチ」のブランドハマチを「ハマチ3兄弟」として売り出している。
その他:香川観光のスタート地点として
香川県の玄関口としての機能も果たす。貨物船のほかに旅客フェリーなども入港し、観光ターミナルとしても重要な場所となっている。
食文化:豊かな海が育んだ四季折々の水産物
海と山に恵まれ、豊かな食文化が根づく。秋の味覚「クロダイ」は地元ではチヌと呼ばれ、鯛飯と同様にしょうゆ味で炊き込む「チヌ飯」は郷土料理のひとつ。
伝統芸能:神話を忠実に再現する獅子舞
高松市の北東部にある皇子神社で奉納される才田岩陰獅子舞。漁船3隻を並べた上で行う獅子舞で、天照大神が天の岩戸に入られるのを引き留める場面を表している古風な舞。

「海と灯台のまち」の灯台をもっと見る

長崎市
伊王島灯台
1866(慶応2)年、米・英・仏・蘭の4ヶ国と結ばれた江戸条約により、全国8ヶ所に設置された灯台の一つ。日本初の鉄造六角形の洋式灯台でもある。灯台のドーム型の天井部分は、原爆の被害を受けつつも、そのままの形状に復元された。

七尾市
能登観音埼灯台
大正時代、七尾湾を航行する船舶の安全を確保するため石川県が建設。当初は七尾湾口灯台と名付けられたが、1966(昭和41)年に現在の名称に。1986(昭和61)年、機器自動化に伴い、形も四角形ビルディング型から白色塔形に建て替えられた。

下関市
角島灯台
日本海側に造られた灯台としては初の大型灯台。無塗装の灯台は日本に2基あるが、そのうちの1つ。レンズは日本に5基しかない第1等フレネルレンズで、高い歴史・文化的価値を認められており、常時一般公開されている「参観灯台」でもある。

糸魚川市
能生港灯台
日本海に浮かぶ岩礁「弁天岩」の上に建つ観光灯台。現在は現役灯台としての役目を終え、シンボル的存在に。海岸から岩へは赤い欄干の「曙橋」でつながり、灯台の足元には海の守り神を祀る厳島神社が鎮座する。

中頭郡読谷村
残波岬灯台
沖縄本島、東シナ海に面する残波岬の突端に建つ。終戦後、米軍の実弾練習場だった場所に建てられた白亜の灯台で、日本返還後に初点灯。灯台周辺は現在、沖縄海岸国定公園に指定され、沖縄本島有数のスポットとなっている。

西宇和郡伊方町
佐田岬灯台
四国の西端に突き出た佐田岬半島の先端に建つ。対岸には豊予海峡を挟んだ佐賀関(大分県)があり、佐田岬灯台の光が届く。灯台で使われているレンズは佐賀関にある関崎灯台から移設されたもの。


京丹後市
経ヶ岬灯台
京都府北部にある丹後半島の最北端に建つ灯台。灯台のレンズはフランス製の第1等フレネルレンズで国内でも貴重なもの。通常は内部に入ることができないが、秋の一定期間のみ一般公開される。

男鹿市
入道埼灯台
日本海を望む男鹿半島に建つ白黒のシマ模様をした灯台。全国に16基ある参観灯台の1つ。初点灯100周年を記念して設置された灯台資料展示室では、当時使用していたレンズほか灯台の関係資料を閲覧することができる。

敦賀市
立石岬灯台
西洋技術の導入初期である明治時代に建設された歴史的灯台。現存する64基のうちの1基。敦賀港最初の文明施設となるこの灯台は、港湾都市・敦賀の将来の発展を象徴するモチーフとして市章にも使用されている。

土佐清水市
足摺岬灯台
四国の最南端に建つ灯台。第二次世界大戦中に米軍機の機銃掃射を受けた歴史を持つこの灯台は、老朽化に伴いデザイン灯台へと一新。そのロケット型のフォルムには地域発展・世界平和などの願いが込められている。

下田市
爪木埼灯台
伊豆半島の東海岸から太平洋に突き出た須崎半島の先端に建つ灯台。周辺は爪木崎自然公園として整備されている。野水仙の群生地であり、冬場のピーク時には300万本もの水仙が咲き誇り、遊歩道となって灯台へと誘う。