兵庫県 淡路市 江埼灯台
1867(慶応3)年、江戸幕府と英国公使が兵庫開港に備えて大坂条約締結の際に5つの灯台の建設を約束。その最初に建てられた。「灯台の父」と呼ばれるリチャード・ヘンリー・ブラントンの設計による御影石を使用した石造りの洋式灯台。
灯台データ
- 初点灯: 1871(明治4)年
- 灯台の高さ: 8.27m
- 灯りの高さ: 48.5m
- 形状: 白色・塔系
- 灯質: 不動白赤互光
- 光達距離: 白光・約34.3km 赤光・29.6km
- レンズ: 不明
- 構造: 石造
- 設計者: ブラントン
地理データ
地理:「淡路市」
灯台が建つ淡路島北端から中央部、島の三分の一を占めえう淡路市。漁業、農業が盛んなほか、四季折々の花が咲き誇る花の名所や、泉源の異なる温泉が多数湧き出る観光の街としても知られる。
気象:太陽の光に囲まれた温暖な気候
淡路島は温暖で降水量が比較的少ない瀬戸内海気候。年間の平均気温は15〜17℃で、年間の平均降水量は概ね1,500mm前後となっている。自然に恵まれ、夏の海水浴シーズンにはたくさん観光客が訪れる。
歴史:神々が宿る神秘の島
「古事記」「日本書紀」によると、世界で最初に生まれたのが「淡路穂狭別島(あわじのほのさわけのしま)」、すなわち淡路島であると記されている。日本最古の神社「伊弉諾神宮」も神話ゆかりの名所として存在している。
伝説:神話のロマン漂う「伊弉諾神宮」
伊弉諾神宮は、国生みに始まる全てのご神功を果たされた伊弉諾尊が、後に余生を過ごしたという住居跡に建てられた。神話に登場する「おのころ島」とされる「おのころ島神社」や「江島」「沼島」など、島内のあちこちに国生み神話のロマンが漂う。
漁業:漁業のまち「淡路島」
東は大阪湾、西は播磨灘が広がる淡路市は県内有数の漁業のまち。小型底びき網、船びき網、タコつぼなどの漁法が盛んでイカナゴ、タイ、タコ、アナゴ、エビなどの四季折々の魚が獲れる。また、ノリやワカメの養殖も行われる。
農業:お土産としても人気 「淡路島玉ねぎ」
多種多様の野菜が収穫される淡路島。「淡路島玉ねぎ」は年間を通して収穫され、淡路島のお土産としても人気。3~5月には「早生(わせ)」、5~7月には「中生(なかて)」、6~翌3月までは「晩生(おくて)」の3品種がある。
食文化:産後回復を願う郷土食「ちょぼ汁」
出産後の娘のために母親が作って食べさせる風習のちょぼ汁。いりこ出汁の中に、餅粉の団子、すいき、ささぎ(黒ささげ)を入れ、味噌で味付けし、仕上げに鰹節をのせる。ぜんざいのような見た目だが味は味噌汁に近い。
伝統芸能:国生み神話と深い関わりあり「淡路人形浄瑠璃」
人形浄瑠璃とは澄んだ音色の三味線、情感溢れる太夫の語り、人の情念が宿ったような人形が一体となって生まれる日本独自の舞台芸術。神事から始まった人形操りが、江戸時代に「浄瑠璃」「三味線」と融合し、伝統文化として発展した。
海と灯台のまち紹介その他の海と灯台のまち紹介
檜山郡江差町
鴎島灯台
かつてニシン漁や北前船の交易場として賑わいを見せた鴎島に建つ灯台。沖合500mに浮かぶこの島の航路標識である灯台は、現在は外側に階段と手すりが取り付けられ、自由に登れる展望台として訪問客を楽しませている。
下閉伊郡普代村
陸中黒埼灯台
1947(昭和22年)に地元漁協が「普代灯柱」として設置。三陸復興国立公園の海岸段丘の景勝地に建ち、青い海と山の緑にひときわ映える白亜の灯台。北緯40度線上の灯台として、日本海側の入道埼灯台(秋田県雄鹿半島)と対をなす。
高松市
高松港玉藻防波堤灯台
1964(昭和39)年に「高松港西防波堤灯台」として初点灯。後年、港湾事業によって北側へと伸びた防波堤の先端へ移設される。赤基調の灯台で、「赤灯台」「せとしるべ」の愛称で高松港のランドマークとしても親しまれる。
下関市
角島灯台
日本海側に造られた灯台としては初の大型灯台。無塗装の灯台は日本に2基あるが、そのうちの1つ。レンズは日本に5基しかない第1等フレネルレンズで、高い歴史・文化的価値を認められており、常時一般公開されている「参観灯台」でもある。
佐伯市
鶴御埼灯台
九州最東端、鶴御崎の標高150mに位置する灯台。鶴御崎は軍事上の要衝であった歴史を有し、鶴御埼砲台跡地に建てられた灯台は豊後水道を行き交う船舶の安全を見守っている。灯台から少し歩いた先の展望台は紺碧の海が広がる絶景スポット。
大船渡市
碁石埼灯台
末崎半島の先端となる碁石岬に建つ灯台。沿岸小型標識として、入り組んだ沿岸や大船渡湾などを航行する船舶の目標として設置された。三陸復興国立公園に指定された碁石海岸の一角として、灯台周辺は整備されている。
網走市
能取岬灯台
大正時代、逓信省による航路標識事業で建てられた灯台。霧信号所も設置され、1948(昭和23)年までは灯台守が併設の宿舎に住んでいた。流氷により航行が途絶える2~3月は業務を休止していた。
京丹後市
経ヶ岬灯台
京都府北部にある丹後半島の最北端に建つ灯台。灯台のレンズはフランス製の第1等フレネルレンズで国内でも貴重なもの。通常は内部に入ることができないが、秋の一定期間のみ一般公開される。
石垣市
平久保埼灯台
八重山列島の石垣島北部にのびる平久保半島の北端、平久保先に位置。17世紀に平久保遠見台が置かれ、往来する外国船の監視が行われていた歴史を持つ。現在建つのは日本復帰前に琉球政府が建設したもの。
笠岡市
六島灯台
岡山県の最南端とされる「六島(むしま)」に建つ灯台。大型船舶が往来する海域ながら、潮流が速く事故が多発していた六島と香川県・荘内半島の海域の安全のために建てられた。現在も不動フレネル式レンズを残す貴重な灯台でもある。
出雲市
出雲日御碕灯台
島根県出雲市にある「島根半島」の西端に建つ灯台で、石造の灯台としては43.65mと日本一の高さを誇る。全国に5基しかない第1等フレネルレンズが現役で稼働している灯台で、その文化的価値も高く評価されている。