京都府 京丹後市 経ヶ岬灯台
京都府北部にある丹後半島の最北端に建つ灯台。灯台のレンズはフランス製の第1等フレネルレンズで国内でも貴重なもの。通常は内部に入ることができないが、秋の一定期間のみ一般公開される。
灯台データ
- 初点灯: 1898(明治31)年
- 灯台の高さ: 12m
- 灯りの高さ: 148m
- 形状: 白塔形
- 灯質: 群閃白光
- 光達距離: 約40.7km
- レンズ・灯器: 第1等フレネルレンズ
- 構造: 石造
- 設計者: 不明
地理データ
地理:山陰海岸ジオパークのジオサイトにも
丹後半島は若狭湾(日本海)に面する半島で、岬の周囲は安山岩による柱状節理が続く海食崖にで、ジオサイトでもある。「経ヶ岬」の由来はこの柱状節理が経巻を立てたように見えるためとされている。
気象:日本海側気候を呈する多雪地帯
冬は暖流・対馬海流の影響で比較的気温差が少ない。南部と比較してもそれほど寒くならないが、海流が含む水蒸気のために降水量が増え、豪雪となることが多い。
歴史:自然と人が育んだ“歴史”を感じられる場所
半島内には4世紀後半ごろ建造の古墳も多く、大陸との交流が盛んであったとされる。天橋立や伊根の舟屋群など、長い時間を見守ってきた歴史ある見どころが多い。
信仰:浦島太郎をまつる伝説がある神社
伊根と経ヶ岬の中間にある浦嶋神社は「丹後風土記」の浦嶋子(浦島太郎)の舞台とされる。生命の神、人生を導く神として縁結びや長寿、漁業や航海にご利益があるとして厚い信仰を集める。
漁業:町内ではブランドガニの水揚げも
経ヶ岬を境に対馬海流(暖流)と日本海固有水(冷水)に分かれ、多彩な魚介類が水揚げされる。特に間人(たいざ)地区で水揚げされるズワイガニ「間人ガニ」が有名で、ブランド化されている。
その他:海岸への漂着物も観光資源に
海沿いのサイクリングなど、美しい景色の美しさを活かす観光資源が多い。海岸の漂着物を拾い集める「ビーチコーミング」を新たな体験型観光として打ち出している。
食文化:丹後のハレの日を彩る「ちらし寿司」
ハレの日に丹後で広く食される「丹後ばらずし」。木箱に敷き詰めた寿司飯の上に、甘辛く煮つけたサバを細かくほぐした「サバのおぼろ」を散らし、錦糸卵やしいたけで彩ったものを切り分けて食べる。
伝統芸能:五穀豊穣を願う民俗芸能を伝承
丹後町の竹野神社では、10月の祭礼での子供たちが太鼓と笹を鳴らし「てんきてんき、ひよりよいさ」と唱える神事が民俗芸能として伝承されている。

「海と灯台のまち」の灯台をもっと見る

室戸市
室戸岬灯台
室戸岬の先端、標高151mの山上にそびえ、日本一の光達距離を有する灯台。1899(明治32)年の建造当時から改築されていない鉄造の灯台で、直径2.6mにも及ぶ国内最大級の第1等レンズを誇る。灯台守が暮らしていた石造りの官舎が今なお残る。

七尾市
能登観音埼灯台
大正時代、七尾湾を航行する船舶の安全を確保するため石川県が建設。当初は七尾湾口灯台と名付けられたが、1966(昭和41)年に現在の名称に。1986(昭和61)年、機器自動化に伴い、形も四角形ビルディング型から白色塔形に建て替えられた。

志摩市
大王埼灯台
三重県志摩半島の大王崎の突端に建つ。大正時代、大王崎周辺の海では多くの人命を失う海難事故が続出。地元の船頭も「波切大王なけりゃよい」と嘆き謡うほどの難所に、地元から声が寄せられ灯台が誕生した。

石垣市
平久保埼灯台
八重山列島の石垣島北部にのびる平久保半島の北端、平久保先に位置。17世紀に平久保遠見台が置かれ、往来する外国船の監視が行われていた歴史を持つ。現在建つのは日本復帰前に琉球政府が建設したもの。

和歌山市
友ヶ島灯台
明治初期に建設された歴史的価値の高い石造の洋式灯台。紀淡海峡に浮かぶ無人島群「友ヶ島」の中心となる沖ノ島に建つ灯台で、砲台跡など島にはかつて軍事要塞島だった名残が残る。国の登録有形文化財。

高岡市
岩崎ノ鼻灯台
高岡市内唯一の灯台。海の玄関・伏木港が重要港湾に指定された同年に初点灯。以来、富山湾を往来する船舶の安全を見守り続けてきた。春には建設時に植栽された桜が美しい花を咲かせるため、「桜の灯台」と呼ばれる。

土佐清水市
足摺岬灯台
四国の最南端に建つ灯台。第二次世界大戦中に米軍機の機銃掃射を受けた歴史を持つこの灯台は、老朽化に伴いデザイン灯台へと一新。そのロケット型のフォルムには地域発展・世界平和などの願いが込められている。

日南市
鞍埼灯台
宮崎県日南市の沖に浮かぶ周囲約9.5kmの「大島」の南端にそびえる、日本初の無筋コンクリートの灯台。フランス人が設計し、部品も同国から輸入するなど当時の最新技術を注ぎ込んで建てられた。近代化産業遺産と登録有形文化財に指定されている。

敦賀市
立石岬灯台
西洋技術の導入初期である明治時代に建設された歴史的灯台。現存する64基のうちの1基。敦賀港最初の文明施設となるこの灯台は、港湾都市・敦賀の将来の発展を象徴するモチーフとして市章にも使用されている。

日向市
細島灯台
細島港入口の日向岬に位置する灯台。1910(明治43)年に赤レンガ造りの灯台として造られ、1941(昭和16)年に現在の灯台に。半円アーチ型の出入り口、バルコニーを支える持ち送りのデザインが特徴的。2019(平成31)年に国の有形文化財に登録された。

御前崎市
御前埼灯台
1874年(明治7)年、「日本の灯台の父」と呼ばれるイギリス人技師ブラントンの設計により完成したレンガ造りの灯台。戦争で損傷を受けたが修理され、今なお建造当時の姿を留めている。のぼれる灯台16基のひとつで、近代化産業遺産、重要文化財などに指定されている。

下閉伊郡普代村
陸中黒埼灯台
1947(昭和22年)に地元漁協が「普代灯柱」として設置。三陸復興国立公園の海岸段丘の景勝地に建ち、青い海と山の緑にひときわ映える白亜の灯台。北緯40度線上の灯台として、日本海側の入道埼灯台(秋田県雄鹿半島)と対をなす。