和歌山県 和歌山市 友ヶ島灯台
明治初期に建設された歴史的価値の高い石造の洋式灯台。紀淡海峡に浮かぶ無人島群「友ヶ島」の中心となる沖ノ島に建つ灯台で、砲台跡など島にはかつて軍事要塞島だった名残が残る。国の登録有形文化財。
灯台データ
- 初点灯: 1872(明治5)年
- 灯台の高さ: 12.2m
- 灯りの高さ: 60m
- 形状: 白塔形
- 灯質: 単閃白赤互光
- 光達距離: 約38km
- レンズ・灯器: LB-90
- 構造: 石造
- 設計者: ブラントン
地理データ
地理:無人島群・友ヶ島
大阪湾と紀伊水道をつなぐ紀淡海峡には、地ノ島、神島、沖ノ島、虎島の4島からなる「友ヶ島」が浮かぶ。この海域は日本初の国立公園である瀬戸内海国立公園の東端として、見事な多島海景観を作り出している。
気象:年間を通して過ごしやすい瀬戸内海気候
年間気温は約17度で、冬場でも氷点下になることのない比較的温暖な気候。海陸風はあるものの、雨は少なめ。
歴史:京阪地区を守る要塞島
幕末の黒船来航の頃に大阪湾を守る要衝として奉行が置かれた友ヶ島。明治期になるとさらに重要性が高まり、島内には大砲が置かれ約600人の兵隊が駐屯したという。
信仰:日本遺産の葛城修験
修験道の開祖・役小角が法華経八巻二十八品を埋納した葛城修験の出発点としたという伝承が残る。虎島には葛城第一番経塚「序品窟」や行場「観念窟」がある。
漁業:友ヶ島を遠方に望む加太漁港
潮流の早い海域として知られる紀淡海峡や友ヶ島海道では、刺網漁業や真鯛を中心とする一本釣り漁業などが行われている。「加太の鯛」や「加太のタコ」が有名。
その他:音声ARアプリ『友ヶ島』
スマートフォン専用の拡張現実アプリを開発し、観光ガイド機能「友ヶ島要塞探索の旅」や“音”の美術館「友ヶ島第3砲台美術館」などの観光情報を提供している。
食文化:小鯛雀寿司
加太沖で獲れる小鯛・チャリコを酢で締め、酢飯とあわせた寿司。その形が雀に似ているためその名がついたと伝えられている。紀州藩主にも献上された郷土料理。
伝統芸能:50年以上愛される紀州おどり「ぶんだら節」
荒海に乗り出す江戸中期の豪商・紀伊国屋文左衛門をモチーフに、市政80周年を記念して作られた音頭。市をあげて行われるイベントは夏の風物詩となっている。

「海と灯台のまち」の灯台をもっと見る
高松市
高松港玉藻防波堤灯台
1964(昭和39)年に「高松港西防波堤灯台」として初点灯。後年、港湾事業によって北側へと伸びた防波堤の先端へ移設される。赤基調の灯台で、「赤灯台」「せとしるべ」の愛称で高松港のランドマークとしても親しまれる。
利尻郡利尻富士町
鴛泊灯台
利尻島の北端・ペシ岬の中腹に建つ灯台。晴れた日には隣の礼文島のほか、サハリン島を見ることもできる。島内には利尻山やオタドマリ沼といった景勝地が点在し、利尻礼文サロベツ国立公園の一部として指定されている。
西宇和郡伊方町
佐田岬灯台
四国の西端に突き出た佐田岬半島の先端に建つ。対岸には豊予海峡を挟んだ佐賀関(大分県)があり、佐田岬灯台の光が届く。灯台で使われているレンズは佐賀関にある関崎灯台から移設されたもの。
鶴岡市
鼠ヶ関灯台
源義経が頼朝の追討を逃れ、平泉へと渡る途中で上陸したという伝説が伝わる弁天島に建つ灯台。島の手前に厳島神社、灯台の足元には赤い鳥居の金毘羅神社と2つの神社が設置され、鼠ヶ関の漁民の安全を見守っている。
糸魚川市
能生港灯台
日本海に浮かぶ岩礁「弁天岩」の上に建つ観光灯台。現在は現役灯台としての役目を終え、シンボル的存在に。海岸から岩へは赤い欄干の「曙橋」でつながり、灯台の足元には海の守り神を祀る厳島神社が鎮座する。
美方郡香美町
余部埼灯台
灯りの高さが日本一の灯台。「日本の夕陽百選」にも選ばれた日本海を一望できる高台からは、夏場になると幻想的で美しいイカ釣り漁船の漁火を見ることができる。地元では地名をとった「御崎灯台」の名で親しまれる。
石巻市
金華山灯台
天平時代(8世紀)に我が国で初めて金を産出し、朝廷に献上したとされる島「金華山」の東端に位置する灯台。灯塔の石材は花崗(かこう)岩で、石造灯台としては東北地方最古。北米大陸から日本への航海における最初の道標となる灯台としても知られる。
三浦市
安房埼灯台
一般公募により決定した三浦大根をモチーフとするデザイン灯台。建て直しに伴い、岩礁地帯から200m内側に入った城ヶ島公園内へと移設された。灯台の南東方約400mにある「高根神楽」を照らす照射灯も併設されている。(写真提供/三浦市)
指宿市
薩摩長崎鼻灯台
開聞岳の東側、長崎鼻の突端に1957(昭和32)年に建てられた比較的新しい灯台。風光明媚な観光地にふさわしいフォルムにと特別に設計されたデザインで、錦江湾に出入りする、または東シナ海を航行する船舶の道標としての役割を担う。
檜山郡江差町
鴎島灯台
かつてニシン漁や北前船の交易場として賑わいを見せた鴎島に建つ灯台。沖合500mに浮かぶこの島の航路標識である灯台は、現在は外側に階段と手すりが取り付けられ、自由に登れる展望台として訪問客を楽しませている。
旭市
飯岡灯台
千葉県北東部、九十九里浜の北端から連な素屛風ヶ浦の南端に位置する刑部岬に建つ灯台。約60mの断崖絶壁から見る絶景は、「日本の朝日百選」や「日本の夜景100選」ほか数々の栄冠に輝いている。また、灯台周辺は上永井公園として整備され、展望館も新設された。
下閉伊郡普代村
陸中黒埼灯台
1947(昭和22年)に地元漁協が「普代灯柱」として設置。三陸復興国立公園の海岸段丘の景勝地に建ち、青い海と山の緑にひときわ映える白亜の灯台。北緯40度線上の灯台として、日本海側の入道埼灯台(秋田県雄鹿半島)と対をなす。





