愛媛県 松山市 釣島灯台
愛媛県松山市の西方約5kmに位置する釣島に建つ、明治期に建設された石造の歴史的灯台。愛媛県初の西洋式灯台であり、敷地内に付帯する灯台職員用の宿舎・倉庫と共に保守され、当時の面影を今に遺す。松山市有形文化財に指定。
灯台データ
- 初点灯: 1873(明治6)年
- 灯台の高さ: 10.3m
- 灯りの高さ: 58m
- 形状: 白塔形
- 灯質: 単せん白赤互光
- 光達距離: 約38km
- レンズ・灯器: LB-H40型(建設時は第三等不動フレネルレンズ)
- 構造: 石造
- 設計者: ブラントン
地理データ
地理:航路が重なる海の難所
松山沖には約30の島々からなる忽那諸島が浮かび、雄大な景観を作り出している。その一方で興居島と睦月島を隔てる釣島海峡には、本州と四国・九州を結ぶ大型船の航路が重なり、海の難所となっている。
気象:温暖な瀬戸内海式気候
晴天の日が多く、積雪はほどんとなく雨の少ない地域。年平均気温は16.5度と一年を通じて温暖で過ごしやすい。
歴史:正岡子規によって伝わったベースボール
日本の文学に多大な影響を与えた文学者である正岡子規は、無類の野球好きで有名。日本での普及に貢献すると共に、松山に初めて野球を紹介したといわれている。
信仰:1000年以上の歴史ある伊佐爾波神社
三代目藩主・松平定長によって建て替えられた松山を代表する神社。社殿は「日本三大八幡造り」の1つに数えられ、太刀と共に国の重要文化財に指定されている。
漁業:生産性の高い漁場
浅海、藻場に恵まれ、一本釣り、刺網、小型底引網等の沿岸漁船漁業を主体とする。また国内有数の養殖県でもあり、ハマチやマダイなどの養殖も盛んに行われる。
その他:日本最古の温泉・道後温泉
約3000年の歴史を持つといわれる温泉。近年は、足湯などを併設した休憩施設の充実や、アーティストとのコラボイベントの実施など観光スポットとして力を注ぐ。
食文化:2つの系統に分かれる「鯛めし」
中予・東予地方の「北条鯛めし」は昆布を敷いた米の上に鯛を丸ごと一匹のせて炊き込む土鍋ごはん。対する南予地方の「宇和島鯛めし」は薬味と共に食す刺身丼。
伝統芸能:興居島の船踊り
船越和気比売神社の秋の祭礼で行われる神事。神輿の海上渡御と共に、伝馬船に設えられた舞台で歌舞伎や舞踊を踊り奉納される。愛媛県指定無形民俗文化財。
る。

「海と灯台のまち」の灯台をもっと見る

下関市
角島灯台
日本海側に造られた灯台としては初の大型灯台。無塗装の灯台は日本に2基あるが、そのうちの1つ。レンズは日本に5基しかない第1等フレネルレンズで、高い歴史・文化的価値を認められており、常時一般公開されている「参観灯台」でもある。

賀茂郡南伊豆町
石廊埼灯台
江戸時代には燈明堂が置かれ、毎晩かがり火が焚かれていたという海の難所、伊豆半島最南端の岬に立つ灯台。1871(明治4)年に英国人技師ブラントンによって木造灯台として建てられ、1933(昭和8)年にコンクリート造に建て替えられた。「日本の灯台50選」のひとつ。

土佐清水市
足摺岬灯台
四国の最南端に建つ灯台。第二次世界大戦中に米軍機の機銃掃射を受けた歴史を持つこの灯台は、老朽化に伴いデザイン灯台へと一新。そのロケット型のフォルムには地域発展・世界平和などの願いが込められている。

阿南市
蒲生田岬灯台
四国の最東端、徳島県阿南市の蒲生田岬に建つ灯台。高知県にもまたがる室戸阿南海岸国定公園に属する。蒲生田岬灯台と紀伊日ノ御埼灯台(和歌山県)を結んだラインまでが瀬戸内海と定義される重要な灯台。

高松市
高松港玉藻防波堤灯台
1964(昭和39)年に「高松港西防波堤灯台」として初点灯。後年、港湾事業によって北側へと伸びた防波堤の先端へ移設される。赤基調の灯台で、「赤灯台」「せとしるべ」の愛称で高松港のランドマークとしても親しまれる。

大船渡市
碁石埼灯台
末崎半島の先端となる碁石岬に建つ灯台。沿岸小型標識として、入り組んだ沿岸や大船渡湾などを航行する船舶の目標として設置された。三陸復興国立公園に指定された碁石海岸の一角として、灯台周辺は整備されている。

知多郡美浜町
野間埼灯台
愛知県に現存する最古の灯台。2008年に改修工事が行われた際、レンズが第5フレネル式からLED灯器に変更された。灯台周辺を囲う高さ2.5mの鉄柵は、南京錠を掛けて恋愛の成就を願うカップル向けのスポットとしても広く認知されている。

竹原市
大久野島灯台
広島県竹原市に属し、瀬戸内海に浮かぶ大久野島に建つ灯台。難所とされる「来島海峡」を避けるための航路に置かれた航路標識の1つで、現在のものは2代目。初代の大久野島灯台は香川県の「四国村」に移設されている。

上天草市
湯島灯台
江戸時代、島原の乱の戦略上の要衝となった湯島の西端に建つレトロな灯台。島の高台から島原湾、湯島瀬戸を往来する船を照らす。灯台周辺から眺望する長崎、普賢岳のパノラマは絶景。晴れた日には世界遺産の原城跡が望める。

小樽市
日和山灯台
北海道で2番目に建設された歴史ある灯台。船乗りたちが出港前に天候や空模様(=日和)を観察した「日和山」に立ち、石狩湾を一望できる。建設当時は白色の木造灯台で、1953(昭和28)年にコンクリート造に改築された。1968(昭和43)年から現在の紅白ストライプに。

三浦市
安房埼灯台
一般公募により決定した三浦大根をモチーフとするデザイン灯台。建て直しに伴い、岩礁地帯から200m内側に入った城ヶ島公園内へと移設された。灯台の南東方約400mにある「高根神楽」を照らす照射灯も併設されている。(写真提供/三浦市)

積丹郡積丹町
神威岬灯台
アイヌ語で「神」を意味する“カムイ”の名を冠する灯台。灯台へ続く遊歩道「チャレンカの小道」は起伏に富み、300度で見渡せる丸い水平線や神秘的な「積丹ブルー」の海など、まさに神の領域のような絶景の中に建つ。