兵庫県 美方郡香美町 余部埼灯台
灯りの高さが日本一の灯台。「日本の夕陽百選」にも選ばれた日本海を一望できる高台からは、夏場になると幻想的で美しいイカ釣り漁船の漁火を見ることができる。地元では地名をとった「御崎灯台」の名で親しまれる。
灯台データ
- 初点灯: 1951(昭和26)年
- 灯台の高さ: 13.9m
- 灯りの高さ: 284.2m
- 形状: 白塔形
- 灯質: 単閃白光
- 光達距離: 約43km
- レンズ・灯器: 第3等大型フレネル式
- 構造: コンクリート造
- 設計者: 不明
地理データ
地理:世界的に認知された見事な海岸線
京都府京丹後市から鳥取県鳥取市に至る約75kmの山陰海岸国立公園の一画を成す名勝・香住海岸には高さ65mの海蝕断崖「鎧の袖」や奇岩が広がる。この公園を含む約120kmの山陰海岸ジオパークはユネスコ世界ジオパークに認定。
気象:日本海側気候の豪雪地帯
多雨多湿の日本海側気候に属し、夏の昼間は猛暑もある反面、夜は気温が下がることも。冬は豪雪地帯に指定。
歴史:山陰本線の名物・余部鉄橋
1912年の余部鉄橋開通時には駅がなく、通勤する人々は列車の合間に鉄橋を渡り、約1.8km離れた隣駅まで歩いて行ったという。1959年に住民悲願の「餘部駅」が完成した。
信仰:165点が重要文化財に指定・大乗寺
行基菩薩によって開かれた高野山真言宗の名刹。江戸中期の画家・円山応挙やその一門が手掛けた襖絵などが残る。別名「応挙寺」の名で親しまれている。
漁業:香住ガニ
但馬地域有数の漁港・香住港ではズワイガニやイカほか様々な魚介類が水揚げされるが、とりわけ香住ガニが有名。かまぼこやカニ味噌などの水産加工品も手掛ける。
その他:世界的ブランドの但馬牛
かつて水田耕作や運搬用の役牛だった黒毛和牛の価値を高め、食用として全国に広めた香美町では、現在でも特産品の但馬牛の血統を守りながら改良を重ねている。
食文化:冬の味覚「セコ飯」
ズワイガニの雌であるセコガニを使った炊き込みご飯。甲羅の内側の“内子”と呼ばれる卵が人気。セコガニの雑炊などでも食されるが、セコ飯は冬のおなじみの味。
伝統行事:平家再興祈願と源氏への怨恨を晴らす「百手の儀式」
ノ浦で敗れた平家の落ち武者が、御崎に住み着いた伝説から生まれた行事。平教盛と武将2名に扮した3人の少年が、源氏に見立てた的に101本の弓矢を射る。

「海と灯台のまち」の灯台をもっと見る

和歌山市
友ヶ島灯台
明治初期に建設された歴史的価値の高い石造の洋式灯台。紀淡海峡に浮かぶ無人島群「友ヶ島」の中心となる沖ノ島に建つ灯台で、砲台跡など島にはかつて軍事要塞島だった名残が残る。国の登録有形文化財。

竹原市
大久野島灯台
広島県竹原市に属し、瀬戸内海に浮かぶ大久野島に建つ灯台。難所とされる「来島海峡」を避けるための航路に置かれた航路標識の1つで、現在のものは2代目。初代の大久野島灯台は香川県の「四国村」に移設されている。

御前崎市
御前埼灯台
1874年(明治7)年、「日本の灯台の父」と呼ばれるイギリス人技師ブラントンの設計により完成したレンガ造りの灯台。戦争で損傷を受けたが修理され、今なお建造当時の姿を留めている。のぼれる灯台16基のひとつで、近代化産業遺産、重要文化財などに指定されている。

三原市
佐木島灯台
瀬戸内海に浮かぶ佐木島の北部にある小型の灯台。佐木島の周辺には島が多く、フェリーでの行き来が主な交通手段となっている。佐木島の港へ入る船上から、豊かな緑に囲まれた灯台の姿を見ることができる。

下田市
爪木埼灯台
伊豆半島の東海岸から太平洋に突き出た須崎半島の先端に建つ灯台。周辺は爪木崎自然公園として整備されている。野水仙の群生地であり、冬場のピーク時には300万本もの水仙が咲き誇り、遊歩道となって灯台へと誘う。

知多郡美浜町
野間埼灯台
愛知県に現存する最古の灯台。2008年に改修工事が行われた際、レンズが第5フレネル式からLED灯器に変更された。灯台周辺を囲う高さ2.5mの鉄柵は、南京錠を掛けて恋愛の成就を願うカップル向けのスポットとしても広く認知されている。

賀茂郡南伊豆町
石廊埼灯台
江戸時代には燈明堂が置かれ、毎晩かがり火が焚かれていたという海の難所、伊豆半島最南端の岬に立つ灯台。1871(明治4)年に英国人技師ブラントンによって木造灯台として建てられ、1933(昭和8)年にコンクリート造に建て替えられた。「日本の灯台50選」のひとつ。

鶴岡市
鼠ヶ関灯台
源義経が頼朝の追討を逃れ、平泉へと渡る途中で上陸したという伝説が伝わる弁天島に建つ灯台。島の手前に厳島神社、灯台の足元には赤い鳥居の金毘羅神社と2つの神社が設置され、鼠ヶ関の漁民の安全を見守っている。

新潟市西蒲区
角田岬灯台
佐渡海峡を渡る船舶の道しるべとなる灯台。灯台の足元には、源頼朝に追われた義経が舟と共に身を隠したとされる名勝「判官舟かくし」が顔をのぞかせ、眼下には日本海の大パノラマと角田浜の白い砂浜が広がる。

七尾市
能登観音埼灯台
大正時代、七尾湾を航行する船舶の安全を確保するため石川県が建設。当初は七尾湾口灯台と名付けられたが、1966(昭和41)年に現在の名称に。1986(昭和61)年、機器自動化に伴い、形も四角形ビルディング型から白色塔形に建て替えられた。

西津軽郡深浦町
艫作埼灯台
白神山地を仰ぐ青森県深浦町の海岸線に建つ灯台。日本海北部の灯台では最大級の高さを誇る。青森県北部の龍飛岬と秋田県男鹿半島の入道崎の中間に位置し、漁船や南北を航行する船を広範囲に見守る。

阿南市
蒲生田岬灯台
四国の最東端、徳島県阿南市の蒲生田岬に建つ灯台。高知県にもまたがる室戸阿南海岸国定公園に属する。蒲生田岬灯台と紀伊日ノ御埼灯台(和歌山県)を結んだラインまでが瀬戸内海と定義される重要な灯台。