海と灯台のまち

「海と灯台のまち」の灯台紹介 三重県 志摩市 大王埼灯台

三重県 志摩市 大王埼灯台

三重県志摩半島の大王崎の突端に建つ。大正時代、大王崎周辺の海では多くの人命を失う海難事故が続出。地元の船頭も「波切大王なけりゃよい」と嘆き謡うほどの難所に、地元から声が寄せられ灯台が誕生した。

灯台データ

  • 初点灯: 1927(昭和2)年
  • 灯台の高さ: 22.5m
  • 灯りの高さ: 45.53m
  • 形状: 白色・塔形
  • 灯質: 単閃赤互光
  • 光達距離: 白光・約34km 赤光・約30km
  • レンズ・灯器: LU-M型
  • 構造: コンクリート造
  • 設計者: 不明

地理データ

地理:リアス式海岸の風景が美しい志摩半島

灯台が建つ志摩市は志摩半島の南部に位置し、周辺は伊勢志摩国立公園に指定。海岸はリアス式の険しい造形が風光明媚な風景は創出している。また温暖で豊饒な漁場では海女文化も息づく。

気象:温暖で恵まれた気候

気温は年間平均15~17℃、黒潮に面した温暖な海の影響もあって四季を通じて比較的寒暖差がない。周辺では温暖性の常緑広葉樹や南国に咲く海浜植物も見られる。年間降雨量、年間降雨日数はほぼ全国平均並み。

歴史:海に由来する地名が歴史を物語る

灯台の建つ大王町(2004年に志摩市に合併)は船越、波切、名田(灘)と海に由来する地名が多くみられるほど海と密接な関係にある。歴史を紐解くと、 1830(天保元年)にこの地で難破した幕府の御用船巡る「波切騒動」が起きている。

伝説:天照大御神が隠れたとされる「天の岩戸」

市内で名水が湧く岩穴「恵利原の水穴」は、「天の岩戸」としての伝承も有する。天照大御神が弟・須佐之男命の悪事を戒めるために隠れていた伝説の場所で、神聖な空気を感じる観光地としても知られる。

漁業:海女による伝統漁法

四季を通して多様な魚介類が水揚げされる志摩市。定置網、刺網、はえ縄、一本漁など多彩な漁業が営まれている。また鳥羽・志摩の海では「万葉集」や「延喜式」にも記されるほど古から海女の素潜りによる漁が息づき、アワビをはじめとする貝類や海藻を獲られる。

農業:「志摩そだち」など稲作が盛ん

温暖な気候と海からのミネラルが補充される島の土壌では、温州ミカンに代表される柑橘類の栽培、乳牛の畜産が盛ん。また水稲農業では「志摩そだち」に代表されるコシヒカリなどが育てられている。

食文化:郷土料理「手こね寿司」

漁師が船上で獲れたての魚を調理し、ご飯にまぜて食す「手こね寿司」。カツオを千切りにして醤油をつけて酢飯とあわせて豪快に混ぜ、手で食べたのが始まりとされ、おもてなしの郷土料理として評判。

ロケ地:新旧の名匠が撮りたくなるまち

古くは小津安二郎監督の「浮き草」、大場秀雄監督「君の名は」。近年では阪本順治監督の「半世界」、三木康一郎監督の「弱虫ペダル」など、志摩市は新旧名作の映画のロケ地としても有名。

灯台

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新潟県
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新潟市西蒲区

角田岬灯台

佐渡海峡を渡る船舶の道しるべとなる灯台。灯台の足元には、源頼朝に追われた義経が舟と共に身を隠したとされる名勝「判官舟かくし」が顔をのぞかせ、眼下には日本海の大パノラマと角田浜の白い砂浜が広がる。

秋田県
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男鹿市

入道埼灯台

日本海を望む男鹿半島に建つ白黒のシマ模様をした灯台。全国に16基ある参観灯台の1つ。初点灯100周年を記念して設置された灯台資料展示室では、当時使用していたレンズほか灯台の関係資料を閲覧することができる。

広島県
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竹原市

大久野島灯台

広島県竹原市に属し、瀬戸内海に浮かぶ大久野島に建つ灯台。難所とされる「来島海峡」を避けるための航路に置かれた航路標識の1つで、現在のものは2代目。初代の大久野島灯台は香川県の「四国村」に移設されている。

愛知県
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知多郡美浜町

野間埼灯台

愛知県に現存する最古の灯台。2008年に改修工事が行われた際、レンズが第5フレネル式からLED灯器に変更された。灯台周辺を囲う高さ2.5mの鉄柵は、南京錠を掛けて恋愛の成就を願うカップル向けのスポットとしても広く認知されている。

岩手県
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大船渡市

碁石埼灯台

末崎半島の先端となる碁石岬に建つ灯台。沿岸小型標識として、入り組んだ沿岸や大船渡湾などを航行する船舶の目標として設置された。三陸復興国立公園に指定された碁石海岸の一角として、灯台周辺は整備されている。

岡山県
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笠岡市

六島灯台

岡山県の最南端とされる「六島(むしま)」に建つ灯台。大型船舶が往来する海域ながら、潮流が速く事故が多発していた六島と香川県・荘内半島の海域の安全のために建てられた。現在も不動フレネル式レンズを残す貴重な灯台でもある。

鹿児島県
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指宿市

薩摩長崎鼻灯台

開聞岳の東側、長崎鼻の突端に1957(昭和32)年に建てられた比較的新しい灯台。風光明媚な観光地にふさわしいフォルムにと特別に設計されたデザインで、錦江湾に出入りする、または東シナ海を航行する船舶の道標としての役割を担う。

静岡県
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賀茂郡南伊豆町

石廊埼灯台

江戸時代には燈明堂が置かれ、毎晩かがり火が焚かれていたという海の難所、伊豆半島最南端の岬に立つ灯台。1871(明治4)年に英国人技師ブラントンによって木造灯台として建てられ、1933(昭和8)年にコンクリート造に建て替えられた。「日本の灯台50選」のひとつ。

新潟県
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糸魚川市

能生港灯台

日本海に浮かぶ岩礁「弁天岩」の上に建つ観光灯台。現在は現役灯台としての役目を終え、シンボル的存在に。海岸から岩へは赤い欄干の「曙橋」でつながり、灯台の足元には海の守り神を祀る厳島神社が鎮座する。

宮崎県
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日南市

鞍埼灯台

宮崎県日南市の沖に浮かぶ周囲約9.5kmの「大島」の南端にそびえる、日本初の無筋コンクリートの灯台。フランス人が設計し、部品も同国から輸入するなど当時の最新技術を注ぎ込んで建てられた。近代化産業遺産と登録有形文化財に指定されている。

北海道
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網走市

能取岬灯台

大正時代、逓信省による航路標識事業で建てられた灯台。霧信号所も設置され、1948(昭和23)年までは灯台守が併設の宿舎に住んでいた。流氷により航行が途絶える2~3月は業務を休止していた。

宮城県
宮城県

石巻市

大須埼灯台

宮城県・雄勝半島の最東端、大須浜の高台に建つ灯台。第二次大戦後の1949(昭和24)年、大須漁港に出入りする漁船や雄勝半島沖を航行する船舶の航行安全に寄与するために建てられた。

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海と灯台のまちについて

「海と灯台のまち」について

美しい灯台を含む、そのランドスケープを町づくりに生かす志をもった先駆的な自治体を「海と灯台のまち」とし、連絡会を設置します。

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「海と灯台のまち」ネットワークには、2024年現在、60市町村が参画。「海と灯台ウィーク」などを協働しています。

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