富山県 高岡市 岩崎ノ鼻灯台
高岡市内唯一の灯台。海の玄関・伏木港が重要港湾に指定された同年に初点灯。以来、富山湾を往来する船舶の安全を見守り続けてきた。春には建設時に植栽された桜が美しい花を咲かせるため、「桜の灯台」と呼ばれる。
灯台データ
- 初点灯: 1951(昭和26)年
- 灯台の高さ: 14m
- 灯りの高さ: 58m
- 形状: 白塔形
- 灯質: 単閃白光
- 光達距離: 約37km
- レンズ・灯器: 第四等フレネルレンズ
- 構造: コンクリート造
- 設計者: 不明
地理データ
地理:世界に認められた絶景
能登半島国定公園に含まれる市内北部の雨晴海岸では、海岸名の由来となった伝説の残る「義経岩」や「女岩」の他、富山湾越しに立山連峰の3,000m級の山々を望む絶景が広がる。2014年、「世界で最も美しい湾クラブ」加盟。
気象:富山の冬の風物詩
冷え込む冬の早朝には、海面から湯気のような霧「けあらし」が白く立ち昇り、沿岸は幻想的な景色に。曇りがちで夏は短く、冬は寒さが厳しい。
歴史:越中の国守
高岡市の風光明媚な景色を詠み、220種余の歌を「万葉集」に残した歌人・大伴家持。高級官吏だった家持は、政治経済の中心地だったこの地で5年在任したという。
信仰:曹洞宗「瑞龍寺」
高岡の開祖・前田利長の菩提寺となる名刹。江戸初期に建築された、壮大で典雅な伽藍配置様式の禅宗寺院として知られる。山門、仏殿、法堂が国宝に指定。
漁業:沿岸で行われる定置網漁業
天然の生け簀である富山湾は、水産資源の宝庫として有名。ブリをはじめとする魚種が豊富な一方、近年はヒラメ、クルマエビ、サザエ等の放流による栽培漁業の振興も行う。
その他:約400年の歴史を持つ「高岡銅器」
高岡漆器と共に市を代表する伝統産業。江戸初期に加賀前田藩より招かれた大阪の職人が鋳物の技術を伝え、現在は日本国内の銅像や仏像・鐘などの95%を製造する。
食文化:甘酢漬け「やちゃらあえ」
8種類の具材を使用することから“やちゃら”と呼ばれる郷土料理。もともとは神前に供えていたが、今では正月や行事で食される。「かぶらのやちゃら」が有名。
伝統芸能:郷土の思いがこもる「弥栄節」
高岡鋳物を作る際に歌った作業歌。高岡銅器の町として手厚い保護を与えた藩主・前田利家公に感謝を捧げる御印祭では、この歌に踊りをつけて町を踊り流す。

「海と灯台のまち」の灯台をもっと見る

銚子市
犬吠埼灯台
山頂や離島を除けば日本で一番早く初日の出を見ることができる、関東最東端の犬吠埼に立つ灯台。1874(明治7)年、当時の技師が苦心の末に国産化を成功させたレンガ19万3000枚を使って建造され、約150年の歳月に耐えて今なお大空にそびえ立つ。

石垣市
平久保埼灯台
八重山列島の石垣島北部にのびる平久保半島の北端、平久保先に位置。17世紀に平久保遠見台が置かれ、往来する外国船の監視が行われていた歴史を持つ。現在建つのは日本復帰前に琉球政府が建設したもの。

志摩市
安乗埼灯台
全国的にも珍しい四角柱型の灯台。入り組んだ海岸で暗礁が多く、江戸時代には灯明台が置かれていた海の難所に建てられた。全国に16基ある「のぼれる灯台」のひとつで、バルコニーから穏やかな的矢湾と波が打ち寄せる太平洋が一望できる。「日本の灯台50選」のひとつ。

旭市
飯岡灯台
千葉県北東部、九十九里浜の北端から連な素屛風ヶ浦の南端に位置する刑部岬に建つ灯台。約60mの断崖絶壁から見る絶景は、「日本の朝日百選」や「日本の夜景100選」ほか数々の栄冠に輝いている。また、灯台周辺は上永井公園として整備され、展望館も新設された。

指宿市
薩摩長崎鼻灯台
開聞岳の東側、長崎鼻の突端に1957(昭和32)年に建てられた比較的新しい灯台。風光明媚な観光地にふさわしいフォルムにと特別に設計されたデザインで、錦江湾に出入りする、または東シナ海を航行する船舶の道標としての役割を担う。

下関市
角島灯台
日本海側に造られた灯台としては初の大型灯台。無塗装の灯台は日本に2基あるが、そのうちの1つ。レンズは日本に5基しかない第1等フレネルレンズで、高い歴史・文化的価値を認められており、常時一般公開されている「参観灯台」でもある。

珠洲市
禄剛埼灯台
明治期、能登半島の最突端、珠洲市の禄剛崎に建てられた石造の灯台。レンズを固定させ、遮蔽板を回転させることで灯火を点滅させる珍しい手法を用いた。石材を人力で崖下から運ぶ難工事の末に完成。

稚内市
稚内灯台
雪でも視認しやすいよう塗装された紅白のストライプ柄が特徴。建造当時は南側に約900m離れた丘の上にあり、1966(昭和41)年に現在地に建て替えられた際、海面から灯火までの高さが移設前と同じになるよう建てられたため、北海道で最も背の高い灯台となった(塔高42.7m)。「日本の灯台50選」のひとつ。

三浦市
城ヶ島灯台
日本で5番目に点灯した洋式灯台。初代はフランス人技師・ヴェルニーにより設計されたが、関東大地震で倒壊し、現在の姿に再建された。同じ島内の東側に建つ安房埼灯台とは、“ペア灯台”として知られている。

和歌山市
友ヶ島灯台
明治初期に建設された歴史的価値の高い石造の洋式灯台。紀淡海峡に浮かぶ無人島群「友ヶ島」の中心となる沖ノ島に建つ灯台で、砲台跡など島にはかつて軍事要塞島だった名残が残る。国の登録有形文化財。

石巻市
金華山灯台
天平時代(8世紀)に我が国で初めて金を産出し、朝廷に献上したとされる島「金華山」の東端に位置する灯台。灯塔の石材は花崗(かこう)岩で、石造灯台としては東北地方最古。北米大陸から日本への航海における最初の道標となる灯台としても知られる。

東牟婁郡串本町
潮岬灯台
本州最南端の紀伊半島・潮岬に建つ灯台。開国直前の「改税条約」に基づいて建設した8基の灯台のうちの1つで、紀伊半島沖は海上交通の要衝でありながら、航海が難しい海域でもあったため、潮岬灯台の建設は急ピッチで進められた。